阪神・岩貞 月間MVP見えた!9月4戦4勝 虎4位イケる

[ 2016年9月26日 05:30 ]

<中・神>6回無失点で9勝目を挙げた阪神・岩貞

セ・リーグ 阪神4―1中日

(9月25日 ナゴヤD)
 阪神・岩貞祐太投手(25)が25日の中日戦(ナゴヤドーム)で6回無失点の好投を見せ9勝目を挙げた。次回登板は現時点で流動的だが、プロ入り初の2桁勝利に王手をかけた。9月は4戦4勝で初の月間MVPも見えてきた。金本知憲監督(48)が、大きな期待を込めて開幕から先発ローテーションに抜てきした孝行息子の活躍でチームは4連勝。5位以上を確定させ4位・ヤクルトに0・5ゲーム差に迫った。

 ひ弱だった過去の自分にサヨナラを告げる力投だった。岩貞が、今季の成長を体現する投球で、仕事を果たした。これで9月は4戦4勝、防御率0・58で、月間MVPの最有力候補に躍り出た。

 「ブルペンでは、ちょっと良くなかったけど(原口に)うまく配球してもらって、ポイントになるボールを意識して投げた。そういうことを意識したので、いいところで併殺だったり、得点圏でも抑えられたと思う」

 序盤から変化球の制球に苦しむなどボールを操ることに苦戦した。四球から崩れて失点するのが悪いパターンで、中盤に真価を問われる場面が訪れた。4回、先頭の藤井に粘られた末に四球を献上。嫌な雰囲気が漂い始めた中、福田を直球で二ゴロ併殺に仕留め、後続も断った。続く5回も2四球で1死一、二塁とされたが代打・谷を空振り三振、大島も二ゴロに退けた。

 「四球を出しても“出してしまった”と意識しないようにしている。精神的にそこから崩れないために、そう思いながら投げた」

 プロ入りから昨年までの2年間、抜群の球威を誇る一方で、大きな課題だった制球難を、たくましくなった「鋼のメンタル」で克服しつつある。6回を投げ与四球4でも三塁を踏ませずスコアボードに「0」を並べた。

 ごう音ととともに大空へ飛び立つあの“勇姿”を見れば心が奮い立つ。幼い頃の夢はパイロット。「何時間でも飛行機を見ていられるんです。大学時代も空港に行ったりして飛行機を見てましたね。純粋に格好良いんですよね。関西でも“穴場”を見つけました」

 プロ入りしてからは、登板前日に兵庫県伊丹市内にある河川敷に足を運び、伊丹空港から離陸していく航空機を時間の許す限り見つめる。「写真を撮りに来ているおじさんと時刻表を見て“もうすぐ来ますね”とか言い合ったりしてますね。登板前に来て、気持ちを高ぶらせてます」とパワースポットになっている。

 初の2桁勝利をかけシーズン最終戦の10月1日巨人戦(甲子園)に登板するプランが浮上する一方で、同戦にドラフト4位・望月が先発デビューする可能性もある。

 「(次回登板は)まだ分からないですけどチームも試合を全部消化し終わったわけではないので、コンディションを整えていきたい」

 最善を尽くして、出番を待つだけだ。 (遠藤 礼)

 ≪投手月間MVPなら14年7月の岩田以来≫阪神の選手が月間MVPに選ばれれば、5月の原口以来今季2人目。投手は14年7月の岩田以来2年ぶりになる。13年には5月から8月にかけて4カ月連続(5、6月能見、7月メッセンジャー、8月藤浪)で阪神投手が選出されている。

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