去年までの自分を超えた!DeNA、ロッテ・内、広島・丸

[ 2016年9月24日 10:50 ]

19日に広島を下しCS進出を決めた筒香(中央)らDeNAナイン

 「去年の自分を超えろ!」

 これはヤクルトが“燕進化”のスローガンとともに掲げたキャッチフレーズだ。神宮球場周辺にはこのキャッチフレーズのポスターや“のぼり”が数多く見られた。しかし、残念ながらヤクルトでは山田哲人を除いて去年の自分を超えた選手はほぼいなかった。

 しかし、球界を見渡すと去年の自分どころか、長年の高き壁を乗り越えた選手、チームもたくさんある。今回は自分の壁を超えた選手たちを紹介したい。

◎横浜DeNAベイスターズ:初のCS進出

 12球団で唯一、クライマックスシリーズに進出したことがなかったDeNAが9月19日の広島戦で勝利し、初めてCS進出を決めた。“苦節十年”のファンの喜びはひとしおだろう。TBSからDeNAに親会社が移ってから5年目でのCS進出だ。

 だがしかし、同時にDeNAは借金がある状態でシーズンを終える可能性が高く(5割以上で終えるには残り3試合を2勝1敗で乗り切らなくてはならない)、オフに“CS不要論”を含めた改革案の話に飛び火する可能性は高いだろう。しかし、ここはひとまずDeNA関係者、そしてDeNAファンにおめでとうの言葉を贈りたい。

◎内竜也:26イニングスの壁

 入団3年目の2006年から中継ぎとして活躍してきた内竜也(ロッテ)。2011年からは守護神候補と幾度となく名前が挙がり、勝ちパターンの一角として信頼されていたものの、ケガが多く、1年を通じて働いたことはなかった。

 そんなケガが絶えない内は、これまで26イニングスを超えて登板したことがなかった(最高投球回数は2009年の26イングス)。毎年、はかったように25イニングスあたりで離脱。もしくは復帰しても25イニングス前後でシーズン終了と、“26イニングスの壁”が立ち塞がっていた。

 そして今季も6月18日に26イニングスに到達した矢先に故障が発覚。登録抹消された。

 今年も26イニングスの壁を越えることができないのか!?

 そう思われたが、9月2日に1軍で復帰登板。この登板でついに26イニングスを超えたのだ。その後も順調に登板している内はシーズン終了までに何イニングスを積み上げるだろうか。内の投球回数に注目したい。

【内竜也の年度別投球回数】
2004年:投球回16
2006年:投球回20.2
2009年:投球回26
2010年:投球回20
2011年:投球回24.2
2012年:投球回25
2013年:投球回25.2
2014年:投球回5.1
2015年:投球回21.1
2016年:投球回29.1
(※2005年、2007年、2008年は1軍登板なし)

◎丸佳浩:20本塁打の壁

 圧倒的な強さでセ・リーグを制した広島は鈴木誠也、新井貴浩、菊池涼介など打の主役が日替わりで現れるほど好調だった。キャリアハイを更新する選手も多く出ている。その中で丸佳浩は、自分の壁であった20本塁打を3度目の正直で超えた。

 2014年、2015年と19本塁打で終わり悔しい思いをした丸だったが、9月17日の中日戦でついに20本目の本塁打を放ったかのように見えた。

 “放ったかのように見えた”と書いたのは中日のレフト・工藤隆人の上で観客がグラブを差し出し守備妨害が疑われてしまったからだ。しかし、審判団による協議の末、丸の本塁打が認められほっと一安心。

 「簡単に20本目は打たせない」という野球の神様の丸への試練だったのかもしれない。

 “去年の自分を超えろ!”というキャッチフレーズは響きがよく、親しみやすいものだった。来年こそはヤクルトの選手たちこそ奮起し 、“自分超え”を果たしてほしいものだ。山田しかいないのは、やはり寂しい。(※成績は9月23日現在/『週刊野球太郎』編集部)

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