阪神、ドラフトも「超変革」 一芸に秀でたスペシャリスト獲得へ

[ 2016年9月22日 06:36 ]

広島に向かう金本監督

 ドラフトも「超変革」だ。阪神は今秋のドラフト会議でスペシャリストの獲得を目指す方針を打ち出した。一芸に秀でた人材発掘を目指し、特に俊足選手を獲得する意向だ。機動力野球を目標としながらも今季57盗塁はリーグ最低。来季の巻き返しに欠かせない新戦力に照準を定めた。

 猛虎の今秋ドラフト戦略の一端が判明した。10月20日に迫るドラフト会議へ向けて既に1位候補は創価大・田中、桜美林大・佐々木らを候補に即戦力投手の指名が決定的。加えて中位指名ではスペシャリストの獲得を積極的に推し進める方針が固まった。

 スペシャリストとは「俊足」、「強肩」、「速球」など突出した特長を持つ人材のことだ。特に「足」の補強は急務と位置づけた。若手を積極登用した今季も理想としていた機動力を実践できなかった事実が背景にあった。実際にリーグ優勝した広島との差を金本監督は「足と打力で負けた。広島は走れる選手が、ずっとレギュラーでいた」と認めていた。

 開幕当初は先発に名を連ねていた横田が打撃不振で降格し、抜群の走塁センスを持つ西岡も故障で離脱。走力のある選手が不在となったことで春先の勢いが消え、苦戦を強いられただけに球団関係者も「俊足の選手が欲しい」と明言した。

 今秋ドラフトへ向けて候補に挙がるのは、社会人No.1内野手の呼び声もある俊足のトヨタ自動車・源田壮亮内野手(23)、大学球界屈指の遊撃手である早大の石井一成外野手(22)、50メートル走5秒8を誇る静岡高の鈴木将平外野手(18)らだ。地元関西でも大阪ガス・峰下智弘内野手(24)、高校生でも京都国際・清水陸哉外野手(17)らの走力を持つ逸材がそろっている。

 実は昨秋もドラフト直前に高校No.1の脚力を誇ったオコエ(楽天)が1位候補に浮上するなど金本監督は走力を重視していた。既にBクラスが決まり、現時点では10月1日の巨人戦(甲子園)で今季日程を終えることから金本監督が実際に候補選手の視察におもむく可能性もあるという。

 かつて野村監督時代には社会人野球の試合をチェックした指揮官の意向で指名・獲得した赤星憲広(本紙評論家)や藤本敦士(現2軍内野守備走塁コーチ)ら俊足選手が03年のリーグ優勝に貢献した好例もあった。足だけではなく、速球、変則フォーム投手、強肩など一芸に秀でた選手の調査をドラフト直前まで継続する方針。来季逆襲へ金の卵獲得に全力を注ぐ。

続きを表示

2016年9月22日のニュース