大谷 連日のV撃!ハム貯金29は球団初日本一以来54年ぶり

[ 2016年9月20日 05:45 ]

<日・ロ>初回1死三塁、先制犠飛を放つ大谷

パ・リーグ 日本ハム3―1ロッテ

(9月19日 札幌D)
 低めへ鋭く沈むスライダーだった。初回1死三塁。日本ハム・大谷は腕を畳み、ボールの下を叩いた。打球は逆方向の左翼ファウルゾーンへと舞い上がり、先制の犠飛に。2試合連続、今季10度目の決勝打となった。

 「フライを打ちにいったのでなるべく(ストライクゾーンを)広く取った。定位置くらいだったら(三塁走者の)遥輝(西川)さんが還ってこられると思った」。3試合連続打点。3試合ぶりに無安打だったが、走者を還すクリーンアップの役目は果たした。投打がかみ合い同一カード3連勝。栗山監督も大谷の一打に「試合の流れを分かってくれている」と称えた。

 この日、全体練習前に末沢寿一オーナー、竹田憲宗球団社長がグラウンドでナインを激励。竹田社長が今季スローガン「爆(は)ぜる」にちなみ、「さあみんな、日本一へ向けて爆ぜよう!」と呼び掛け、最後はまさかの「一本締め」で爆笑を誘った。若手が多く、優勝争いに慣れていない。選手をリラックスさせようという竹田社長のアドリブだった。その若手の中心である大谷が電光石火の先制攻撃で応えた。

 東映時代の1962年以来54年ぶりの貯金29。当時の監督は名将・水原茂氏だった。栗山監督が千葉県船橋市内にある「吉沢野球博物館」を訪れた時のこと。水原氏の手書きメモに驚いたことがあった。理想のユニホームの着こなしがセンチ単位で書かれ、ポケットにしまうタオルの見え方まで記されていた。「人は弱いものだから形(服装)にこだわるべき」という水原氏の理念に感銘を受けた。「そういう先輩方がいて今の我々がある」と栗山監督。貯金29は、伝説の先輩指揮官に追い付いた証だ。

 首位・ソフトバンクは引き分けたため2位のままだが、ゲーム差なしの勝率3厘差に迫った。21日からソフトバンクとの最後の直接対決2連戦を迎える。初戦に先発する大谷が「何でもいいので勝てば十分」と言えば、指揮官も「“攻めダルマ”になった方が勝ちやすいと思っていく」と気合十分。最大11・5ゲーム差からの大逆転Vを成し遂げる。 (柳原 直之)

 ≪連勝でM6点灯≫日本ハムが3連勝で貯金を今季最多の29とした。日本ハムで貯金29以上は東映時代の61年(最多35)、62年(最多31)に次いで54年ぶり3度目になる。21、22日はソフトバンクと今季最後の直接対決で、日本ハムは連勝すればM6、1勝1分けならM7が初点灯。ソフトバンクは1勝した時点か2分けでM8が再点灯する。

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