DeNA筒香 24歳主将が初CSけん引「チーム全員がMVP」

[ 2016年9月20日 05:30 ]

<D・広>CS進出に笑顔の筒香(中央)らDeNAナイン
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セ・リーグ DeNA3―1広島

(9月19日 横浜)
 ここで満足するわけにはいかない。DeNA筒香は驚くほど素っ気なかった。2―1の6回2死二塁で貴重な追加点となる右前適時打を放ったが、24歳の主将は淡々としていた。

 「CSが決まったなと、ただそれだけです。決まった瞬間はそこまでうれしくなかった。優勝を目指してきて、それができなかったので。いや、うれしくないというのもおかしいんですけど…。いつも通り、試合に勝ったときと同じです」

 生真面目な性格だ。「あまり言うタイプではないけど、気づいたことは言っていこう」と決めた主将2年目。チームが連敗しているとき、雰囲気が良くないと感じたとき、何度となく選手同士の話し合いの場を持った。4月に遠征先で初めて呼び掛けた。早朝まで何を話すか、紙に書いては反すうした。気づけばA4の6枚の両面がびっしりと文字で埋まっていた。

 42歳で現役最年長の三浦からはこう言われた。「遠慮なくやってくれ。ロッカーはリラックスできる空間だから、どう声を掛けようが騒いでもいい」。本拠地はもちろん、遠征先にも自らスピーカーを持参。ラテン系の音楽を大音量で流した。忘れたときには遠征先で購入してまで雰囲気づくりに努めた。「打席ではボールを打つことしかできない。だから準備は大事」。若いチームを勢い付ける原動力となった。

 40本塁打、102打点。セの2冠王は文字通りグラウンド内外で先頭に立ってきた。ラミレス監督はチームのMVPを問われて「隠すことなく筒香だ」と言ったが、筒香の意見は違っている。

 「僕は1人でやってきたわけではない。チーム全員がMVPです」

 指揮官の言葉で一番胸に刻んだ言葉がある。「次は絶対やり返そう」。下克上。日本一になって今度こそ笑ってみせる。

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