同級生・藤浪と同じ舞台に…立大・沢田圭佑 4年間の成長

[ 2016年9月18日 09:30 ]

立大の沢田圭佑

 アマ野球担当1年目だった12年、大阪桐蔭がエース・藤浪(現阪神)を擁して甲子園春夏連覇を達成した。当時2年生だった森(現西武)とのバッテリーが印象深いが、縁の下の力持ちの存在がなければ、あの快挙はなかったと思う。

 控え投手として背番号10を背負っていたのが、沢田圭佑だった。夏の大阪大会では本調子でなかった藤浪を好救援で支え、夏の甲子園3回戦では済々黌(熊本)相手に2失点完投勝利。9番打者として、甲子園で豪快な一発も放ち、チームを勢いづけた。

 卒業後の進路は東京六大学の立大を選んだ。1年春にリーグ戦デビューを果たすと、4年春までフル回転し通算21勝をマーク。現役で300イニングを投げている投手は沢田圭だけだ(9月17日現在)。「高校のときは毎日練習がしんどかったけど、チームメートも面白いやつばかりだった。藤浪とはオフに飯を食ったりしますよ」と、最高の仲間から刺激をもらいながら着実に階段を上ってきた。

 昨秋の新チーム結成時、沢田圭は主将に就任した。大阪桐蔭の西谷浩一監督からは「“お前が主将なんて信じられない”と言われました」と苦笑いで振り返るが、高校時代と同じ背番号10を再び背負うことになった。「とにかく優勝したい。それだけなんです」と、約200人の部員の先頭に立っている。

 大学入学時から、4年後は藤浪と同じ舞台でプレーすることが目標だった。今秋リーグ戦前にプロ志望届を提出。チームの開幕戦となった9月17日の法大1回戦では9回に2番手でマウンドへ上がり、1回無安打無失点で試合を締めた。

 神宮の電光掲示板には球速が表示される。アマチュアの投手はスピード表示を気にしない選手が多い中、「スピードは見ちゃいます。140キロ後半が出ていたら、もっと腕を振ったら150出るかなって思ったりします」など、物怖じしない性格もプロ向きだ。

 運命のドラフト会議は10月20日。4年間で成長を遂げた背番号10の指名はあるか。(記者コラム・川島 毅洋)

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2016年9月18日のニュース