阪神 掛布2軍監督続投へ 今秋には金本監督と一緒に若虎指導

[ 2016年9月13日 05:30 ]

阪神の掛布2軍監督

 来季も「金本―掛布ライン」で「超変革」を推し進める。阪神が掛布雅之2軍監督(61)の続投を内定させたことが12日、分かった。昨年オフに複数年契約を結んで2年目も指揮をとることが決まっている金本知憲監督(48)とのコンビを継続し、さらなる若手育成、長期的視野に立った抜本的改革を進める。今秋キャンプでは金本、掛布両監督が一堂に会して若虎の指導に当たる異例の指導体制となる可能性も判明した。

 来季も1、2軍が一丸となり、チームを根底から変えていく。それには両指揮官の綿密な意思疎通が絶対条件だ。金本監督の肝いりで昨オフ、実現した掛布2軍監督。来季もレジェンド指揮官コンビに、過渡期のチームを託すことになる。球団幹部が見通しを語った。

 「現状、そこ(2軍監督)が変わるという話はありません。長期的なチーム作りには(1、2軍の)ラインが、しっかりしないといけないですから。2軍も長期的にということになるでしょう」

 1軍監督が長期政権となってもコーチングスタッフの一員である2軍監督が途中交代や配置転換となる例は少なくない。だが阪神は早々と「掛布続投」の方針を固めた。根底から猛虎を立て直しつつ鍛え直すために構築した「超変革ライン」。その継続を最重視し、長期的な視野に立ってチームの改革を推し進めるため、来季も掛布2軍監督の手腕に期待を寄せる。

 2人のコンビは、結成1年目から効果的に機能した。シーズン開幕後も密に連絡を取り合い、1軍のチーム状況、2軍の選手情報を共有。その結果、積年の課題だった若手育成は着実に進みつつある。昨秋から二人三脚で育成した若手選手をシーズンで1軍に大量抜てきし、その中から高山、北條、原口が台頭した。また6月22、23日には、不振に陥っていた高山の再生を2日間限定で掛布2軍監督に託すなど信頼し合っているからこその連携プレーも見られた。「金本―掛布ライン」あればこその「超変革」推進だった。

 そしてクライマックスシリーズ進出を逃した場合は10月下旬から開始する予定の今秋キャンプで、夢の「コラボ指導」が実現する可能性も出て来た。例年、阪神では高知・安芸で行うキャンプを1軍監督が指導し、2軍監督は鳴尾浜で行われる秋季練習の指導に当たっていた。事実、昨秋も掛布2軍監督は鳴尾浜に残留し“2軍キャンプ”を指導していた。だが、今年は「(掛布2軍監督も高知に)行くと思いますよ」と球団関係者。2人が安芸市営球場で一堂に会し、二人三脚で若虎の指導に当たる可能性があるという。実現すれば、さらなる若手育成につながることは間違いない。

 ともに就任1年目だった今季は「超変革」の、いわば序章。2人のレジェンドがタッグを組んだ相乗効果が真価を発揮するのは、これからだ。

 ≪「初」がいっぱい≫今季の阪神は若手を積極的に起用し、野手7人がプロ初安打、投手3人がプロ初勝利を飾っている。6年目の中谷は昨年2安打を放っているが、今季は初アーチを含む4本塁打と成長。投手陣では4年目の田面と2年目の守屋もプロ初登板を果たした。

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