鳥谷天敵撃ち!藤田平&和田に並んだ球団タイ12年連続100安打

[ 2016年9月12日 08:00 ]

<ヤ・神>5回1死、鳥谷が右越えにホームランを放つ

セ・リーグ 阪神5-0ヤクルト

(9月11日 神宮)
 主将の意地だ。阪神は、11日のヤクルト戦(神宮)に5―0で快勝した。先発全員安打をマークするなど久しぶりに打線が活発。鳥谷敬内野手(35)が3回に先制適時打で流れを呼び込んだ。この右前打により球団では藤田平、和田豊に並ぶ最長の12年連続100安打に到達。さらに5回は右翼へ7号ソロ。今季4戦で3勝を献上していたヤクルト・山中の攻略に成功した。チームも、敗れれば中日と並んで同率5位となる“最下位”危機をまぬがれた。

 キャプテンが突破口を開いた。両チーム無得点の3回1死一、三塁。鳥谷がカウント1―1から山中の低めスライダーをとらえた。右前への打球は8月21日の巨人戦(東京ドーム)以来、自身16試合ぶりのタイムリー。

 「チャンスで回ってきたので、何とかしたいと思っていた。緩い球にうまく対応できた」

 ヤクルト先発の山中に虎打線は今季4試合で3勝を献上し、防御率0・87(試合前時点)と手も足も出なかった。来季の逆襲につなげるため“苦手克服”が重要だった。

 「(山中との対戦成績とか)細かいことは全然考えずに、とにかくチームが勝てるように、と思っていた」

 二の矢も鳥谷だ。5回に内角スライダーをジャストミート。右翼スタンド最前列に7号ソロを運んだ。「まずは自分が塁に出てチャンスを作ろうと思っていた。次の1点を取りたいところ。良い1本が打てた」。7月5日の巨人戦(東京ドーム)以来68日ぶりのアーチ。この回限りで山中を降板に追いやった。

 広島がリーグ優勝を決めた翌日でも、スタンドには多くの虎党が駆けつけた。その期待に応え、難敵を攻略しての1勝。金本監督も重みを強調した。「(山中に)前回、前々回と、ずっとフライアウトでやられて。チーム全員で、とにかくゴロを打とうと。それを本当(に実践してくれた)。前回みたいなのはまったく無かったから」。さらに7月20日の巨人戦(甲子園)以来となる鳥谷の2番起用についても説明を加えた。「急きょ(試合前に打順を)変えたんよ。(打順変更が)うまいことハマってよかった。片岡のインスピレーションでね(笑)」。詳細は明かさなかったものの打線組み替えの奏功を喜んだ。

 鳥谷は3回の右前打で藤田平、和田豊と並び球団では最長の12年連続100安打に到達。「今は特に何も思っていないけど、これからも続けていくことが必要」。不断の努力を誓った。7試合連続の三塁起用に「ポジションは自分で決めることではないので、チームに必要とされるところでやっていく」という献身の姿勢が頼もしい。

 「誰が、とかではないけど打てれば雰囲気は良くなる。今後も、どんどん打っていければ良い」

 チームは最下位転落の危機をまぬがれた。窮地で主将の存在感は際立った。(久林 幸平)

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2016年9月12日のニュース