黒田お疲れ抹消、CSへ日本一へ充電 残り1試合登板で2桁狙う

[ 2016年9月12日 07:30 ]

リーグ優勝から一晩明け、ダッシュを繰り返す黒田

 歓喜のリーグ制覇を成し遂げた赤ヘル軍団が32年ぶり日本一に向け、着々と準備を進める。広島・黒田博樹投手(41)が11日、出場選手登録を抹消された。クライマックスシリーズ(CS)への再調整が目的で、シーズンは残り1試合に登板する予定。11日の巨人戦(東京ドーム)は0―8と完敗したが、心配は不要。緒方カープは日本一から「逆算」しての戦いが始まった。

 歓喜の25年ぶり優勝から一夜明け、黒田は視線をすでに次の戦いへと向けていた。

 「まずは体を万全に戻して、CSではしっかりとした状態でマウンドに上がれるようにしたい」

 5月8日に「頸部神経根症」及び右肩痛で出場選手登録を抹消されるなど、満身創痍(そうい)で20年目のシーズンを戦ってきた。23試合の登板で9勝8敗、防御率3・17。チーム勝利への貢献を最大目的に体を酷使してきた。それだけにCSへの最重要課題は「積極的休養」に他ならない。畝投手コーチは「体にムチ打ってやってくれた。少しでも体を治して欲しい」とねぎらいの言葉をかける。シーズン残り試合での登板は1試合の予定。ドジャース時代の10年から続ける連続2桁勝利は今季最終登板にかけることになった。

 緒方監督は敗戦後「CSの戦いは今日から始まっている」と位置付けた。黒田とともにこの日、チームトップの63試合に登板し、リーグ2位の40ホールドをマークするジャクソンを抹消。打点王争いを繰り広げる新井もスタメンから外した。「ジャクソンは登板過多。黒田も新井も、体を戻すこと。まずは体調を戻すこと」。32年ぶり日本一に向け、無駄にできる時間はない。

 前夜は史上最年長となる優勝試合での勝利投手となり、仲間達の腕で5度、宙に舞った。男泣きにむせんだ胴上げ。そして笑顔のビールかけ。黒田の中で余韻は残る。

 「1年間、一緒に戦った仲間達とああいう風にビールかけできて、楽しかった」

 達成感、充実感を存分に味わったが、何より感じたことは「ファンの人が喜んでくれる。それが一番うれしい」だった。日本シリーズ進出、そして日本一。ビールかけのチャンスは2度、残されている。愛する広島、愛するカープファンを喜ばせたい。その一心で黒田は投げ続ける。ベストの状態で新たな戦いに挑むため、しばしの間、傷ついた体を休める。(桜井 克也)

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2016年9月12日のニュース