大谷 4年で到達通算40号30勝 藤村富美男が12年かかった大記録

[ 2016年9月11日 08:34 ]

<楽・日>3回無死二塁、大谷が右中間へ21号2ランを放つ

パ・リーグ 日本ハム7―4楽天

(9月10日 コボスタ宮城)
 また、打った。日本ハムが1点差に詰め寄られた6回2死一塁。打席には3回に右中間席上段へ21号2ランを放った大谷が立った。左腕・金刃は内角シュートを選択。厳しいコースを攻められながらも反応した。

 「昨日も内角を攻められたので、今日はないかなと思ったけれど、反応で打てた。(狙いが)当たることの方が少ないし、向こうも狙いを外しに来ている。でも、外れたときの準備はいつもしている。結果はその時次第だから」

 両腕を畳んでバットを振り抜くと、打球はバックスクリーンへ飛び込んだ。3回の一発では圧倒的なパワーを見せつけたが、2発目の22号2ランは技術の高さが凝縮されたものだった。マルチアーチは今季2度目、通算3度目だ。

 それでも大谷は「芯付近だった」とさらり。さらに「元々、内角は嫌いではない。最近はよく攻められているので、内角打ちの練習もできている」と加えた。ペタジーニ、ラミレス、バレンティンらパワー自慢の助っ人とヤクルトで同僚だった城石打撃コーチも「腕を畳んでバックスクリーンは初めて見た」と舌を巻いた。

 この男はどれだけ球史にその名を刻んでいくのだろうか。これで通算40号となった。すでに投手としても通算37勝を挙げている。プロ野球の歴史をひもといても30勝、40本塁打を記録をしたのは過去4人だけ。2リーグ制以降に入団した選手では近鉄、巨人で活躍した関根潤三氏以来2人目となる。現役時代にヤクルトでプレーした栗山監督にとっては恩師。投手から打者転向した関根氏と違い、大谷は二刀流としてわずか4年で到達したのだ。

 打者では最近5試合で打率・227と不振だったが、栗山監督は「今日はしっかりスイッチが切り替わっていた」と復調を感じ取った。2位・ソフトバンクには最大1・5差をつけ、11日にもマジック13が点灯する。残り16試合。大谷の二刀流もラストスパートをかける。 (横市 勇)

 ≪史上5人目≫大谷(日)が2本塁打。自身のマルチ本塁打は14年7月5日のロッテ戦、今季8月6日のソフトバンク戦に次ぎ3度目で、シーズン2度は初めてだ。これで、通算40号に到達。投手としては通算37勝を挙げているが、通算40本塁打以上と通算30勝以上の両立は史上5人目。2リーグ制以降の入団では関根潤三(巨)に次ぎ2人目になった。なお、過去4人が40本、30勝の両方をそろえるまでにかかったシーズン数を調べると、藤村富美男(神)ら3人の12シーズン目が最少となっており、大谷の4シーズン目は最も速い。

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