中崎 新炎のストッパー 津田ばり安定感で胴上げ投手に

[ 2016年9月11日 05:30 ]

<巨・広>優勝を決め、石原(手前)と抱き合う中崎

セ・リーグ 広島6―4巨人

(9月10日 東京D)
 耳をつんざくような「中崎」コール。9回2死一塁。まるで本拠地のように1球ごとに大きくなる声援を受け、広島の守護神は亀井にこん身の153キロ直球を投じた。遊ゴロ。優勝だ。中崎は捕手の石原に抱きかかえられ、そのまま全身を貫く喜びに身を委ねた。

 「どうしていいか分からなかったけど、石原さんが走ってきたので。言葉では表せない。もらい泣きした」。今季60試合目の登板。これで18試合連続無失点だ。守護神2年目。13年オフに右手人さし指と中指の血行障害の手術を受けた影響もあり、昨季は気温の低い3、4月に防御率4・22と苦しんだ。その反省を踏まえた今春はキャンプ前に温暖な沖縄で自主トレ。「今季は調子の波はあまり感じなかった」。年間を通しての活躍につなげ、最後は「緊張も、ドキドキもしなかった。いつも通り、しっかりした球を投げられた」と歓喜の胴上げ投手となった。

 独特のひげを蓄え、ピンチでも決して動じない。小林投手コーチも「ストッパーに必要な“覚悟”が備わっている」と絶大な信頼を寄せる。そんな24歳の中崎につなぐリリーフ陣の1番手が、25歳の今村。黒田の後を受けて3点リードの7回に登板、無失点で切り抜けた。8回はジャクソン。「しびれる場面だったけど、優勝できてうれしい」。3安打で1点を失うも、さらに1死一、二塁のピンチは連続三振で脱してガッツポーズだ。
 必殺の「JIN」リレー。3人そろって登板した試合は今季8戦全勝となった。リーグVは果たした。その先の野望へ、3本の矢が相手を貫く。

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