阪神・高山 千金同点打 岡田超えた!虎新人単独4位55打点

[ 2016年9月5日 05:30 ]

<神・D>(左から)高山、岩貞、原口は久々のお立ち台で笑顔を見せる

セ・リーグ 阪神3―1DeNA

(9月4日 甲子園)
 自らのバットでライバルの白星を消滅させた。0―1の8回1死二、三塁。2番手・田中の3球目の甘いカーブを、阪神・高山はコンパクトに振り抜いた。お手本のようなセンター返しは、ダイビングキャッチを試みた桑原のグラブからこぼれ落ちる同点打。7回無失点だった今永の勝利を消し、原口の決勝打を呼び込む値千金の中前適時打だった。

 「今永の時からスライダー、カーブが多かったんで、追い込まれるまではそういうボールを打っていこうと思っていた。それ以上に、甘いボールはしっかり捉えようと。すごくうれしかった」

 読みと工夫。このルーキーの非凡さは、バットコントロールだけではない。この場面ではスライダー系の球に対応するため、最初は通常よりも打席の前、投手寄りに立っていた。ただ、2球目の内角のスライダーをファウルした後に、普段の位置まで下がった。

 「もうちょっと後ろに立って、ボールを引きつけるというか。甘く入ってくるところを打とうと思った。それがうまくはまって良い結果が出た」

 新人王争いの最有力候補。最大の強敵が今永だった。大学時代からの好敵手との“直接対決”は空振り三振、右翼線二塁打、二ゴロ併殺打。通算9打数3安打4三振で、ほぼ互角の内容ながら、左腕の7勝目を消したことが非常に大きい。

 この適時打で55打点目となり、阪神新人では80年・岡田彰布を抜いて歴代単独4位。2安打を加え、119安打は53年・吉田義男と並ぶ同5位になった。

 「ヒットは1本ずつしか増えないので、(今後も)1本、1本かな。打点はチームメートがチャンスメークをしてくれている結果。それに応えることができれば、積み重なっていくと思う」

 チーム状況が苦しいだけに、新人とはいえ個人のことは後回し。これまで同様、勝利のために打ち続ければ、球団史を塗り替える黄金ルーキーとして名を残すことになるはずだ。(山添 晴治)

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