金本監督 怒りの判定負け「まったく問題外でしょ」

[ 2016年9月4日 07:27 ]

<神・D>6回無死一塁、大和の二塁へのゴロで一塁走者・北條は守備妨害をとられる(二塁手・石川)
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セ・リーグ 阪神2―3DeNA

(9月3日 甲子園)
 痛恨の“判定負け”を喫した。阪神は3日のDeNA戦(甲子園)に2―3で敗れ、自力によるクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅した。実に4年ぶりとなる7連敗を喫し、借金は今季ワーストタイの15に膨張。打っては同点の6回に審判団の不可解な守備妨害の判定で好機をつぶし、投げては1点リードの8回に不運な打球で決勝点を失った。

 勝ち運に恵まれなかった。試合序盤から中盤にかけ、主導権は常に阪神が握っていた。だが要所で「見えない力」が立ちはだかった。これには全力を尽くしたナインも、采配を振るった指揮官も打つ手が無かった。

 「まったく問題外でしょ。(試合後に)ビデオを見たけど。(審判は)『(走者が)二塁手に当たった』と。かすってもいない。走路を走って、ちゃんと、よけているんだから。(本来なら)無死一、三塁と、1死一塁で(試合への影響が)小さいわけがない」

 不可解な判定が、勝敗を大きく左右した。同点で迎えた6回無死一塁。バスターエンドランを敢行した大和の打球は一、二塁間へ。走者・北條は走路を走り、打球も二塁手・石川をも交わした。打球は右前へ転がり、北條は一気に三塁へ。無死一、三塁の絶好機となるはずだった。だが…。梅木二塁塁審は守備妨害によるアウトを宣告した。

 指揮官は約3分間の抗議を展開。だが判定は覆らない。無死一、三塁なら確実に勝ち越しが見込めたケースが一転、1死一塁となり、無得点に終わった。「何も当たっていない。(体の接触も)ない」と北條。指揮官も「当然そう(連盟に抗議文を出すことに)なる」と怒りをあらわにした。

 「まあ見ての通りで、完全に打ち取ったのが決勝点。球児も本当に抑え込んで、結果あそこに落ちたという。それだけ」

 運にも見放された。1点リードの8回2死一、二塁。藤川の直球は筒香のバットを詰まらせた。打球は左翼方向へ。普通の打者の打球なら捕球できていた。だが長打警戒で大きく後ろに下がっていた左翼手・高山も、遊撃手・北條も届かない絶妙な位置に打球が落ちてしまった。思わぬ形で逆転を許すこととなった。

 12年8月の8連敗以来4年ぶりの7連敗で自力CSの可能性が消滅。3位・DeNAとの差は5に広がり、最下位・中日との差は1に縮まった。だが、指揮官は「(自力CS消滅についても)特になし」と意に介さず。そして、言葉を継いだ。

 「まあ、初回のトリの(難しい)三塁ゴロ、能見の立ち上がり、サターホワイトのピッチング。選手の何とか勝つ、どうにかするという気持ちが見えた。それでも勝ち運が無く、審判の判定とかポテンヒット、それだけで負けたようなもんだから。明日以降も同じように、きょうくらいのファイティングポーズでやってほしい」。過去11、13年の西武、15年の阪神が自力CS消滅からCS切符を勝ち取った。残り17試合。あきらめたら、そこで終わりだ。(惟任 貴信)

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2016年9月4日のニュース