ソフトB “9度目の正直”M20初点灯 骨折柳田のために「一丸」

[ 2016年9月3日 05:30 ]

<楽・ソ>9回2死一、三塁、勝ち越しの右中間適時三塁打を放つ松田

パ・リーグ ソフトバンク8―6楽天

(9月2日 コボスタ宮城)
 9度目の挑戦でついた!パ・リーグ首位のソフトバンクは2日、楽天戦の同点で迎えた9回に松田宣浩内野手(33)が右中間へ決勝の2点三塁打を放ち、8―6と競り勝った。2位の日本ハムが敗れたため、リーグ3連覇に向けた優勝へのマジックナンバー「20」が初点灯。柳田悠岐外野手(27)が右手薬指骨折で離脱する激震から一夜明け、野手全員のつなぐ執念で計6本の適時打を放ち、価値ある白星をもぎ取った。

 8回に3点リードを追い付かれて迎えた9回2死一、三塁。楽天の守護神・松井裕に4球続いた直球で追い込まれた松田が、5球目に来た外角低めのチェンジアップに食らいつき、逆方向の右中間に運んだ。

 「とにかく後ろにつなぐ思いで打席に入った。松井君が得意な球(チェンジアップ)は常に頭に入れていた」。2点三塁打で嫌な雰囲気を振り払ったムードメーカーはそう振り返った後、待望のマジック点灯に「(柳田離脱の)ダメージは大きいけど、ギータ本人が一番悔しい思いをしていると思う。今いる選手で優勝する」と言い切った。その松田は自身も5度も骨折した経験があるだけに、前夜、早期復帰へはやる気持ちを抑えきれない柳田に「我慢が大事だ」と切々と説いた。

 1日の西武戦(西武プリンスドーム)で柳田が右手薬指を骨折し、全治6週間の診断を受けた。主砲の離脱をカバーしようとする思いは、松田の決勝打に象徴されるように、ナイン全員の「つなぐ」執念となった。

 1点を追う4回に内川の左翼線適時二塁打で追い付き、2死後に吉村の右前適時打で勝ち越し。2―3の6回には明石、吉村の連続適時打で再びリードを奪った。7回1死満塁では内川が2点打。4~7番で全打点をマークした。計6本の適時打で8点をもぎ取った。

 プロ12年目で初のクリーンアップ、柳田の代役で3番に起用された江川は、前夜にさいたま市内の宿舎で、柳田から「頼みますよ」と激励された。3四死球も選んで4度出塁。「前後にいい打者がいるので普段通りにやった。あいつ(柳田)ほどはできないけど、僕にも少しはできることがある」と胸を張った。7回1死満塁から中前2点打など3打点を挙げた内川は「(満塁の場面は)ドキドキした。打てて良かった」。腰痛を抱え、8月28日のロッテ戦(ヤフオクドーム)では打者走者と交錯して首なども痛めて満身創痍(そうい)だが、「出るからにはやるだけ」と常に話す主将が3試合連続の複数打点と存在感を示した。

 一時はプロ野球史上初めて6月中にも点灯する可能性のあった優勝マジックは、9度目の挑戦で9月に入ってようやく点灯した。松田は「明日から一つ一つ消していけるように、チーム一丸でやっていきたい」と決意表明。リーグ3連覇へ、柳田不在という逆風の中でも光が差し込んできた。

 ≪V最短15日≫ソフトバンクに優勝へのマジックナンバー20が点灯した。日本ハムが残り21試合に全勝すると94勝48敗1分けの勝率・662。この場合、ソフトバンクは日本ハムとの残り2試合に連敗となるが、他カードの合計20試合に全勝すれば92勝46敗5分けの勝率・667と日本ハムを上回るため。なお、現日程での最短優勝決定日は今月15日となる。

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