広島 球団新76勝じゃ~M9 丸サヨナラ打、今季40度目逆転勝ち

[ 2016年9月2日 05:55 ]

<広・D>延長10回1死満塁、鈴木(左)らから手荒い祝福を受けるサヨナラ打の丸(中央)

セ・リーグ 広島6―5DeNA

(9月1日 マツダ)
 勢いが止まらない。広島は1日、DeNAと延長戦の死闘の末、今季9度目のサヨナラ勝ちを収めた。10回1死満塁から丸佳浩外野手(27)が中前に今季2度目のサヨナラ打。両リーグ最多の今季40度目の逆転勝ちで球団史上最多のシーズン76勝目を挙げた。優勝へのマジックナンバーは「9」。ついに1桁台に突入し91年以来25年ぶりとなる悲願のリーグ優勝が近づいてきた。

 水も滴るいい男だ。ナインから歓喜のウオーターシャワーを浴びせられたサヨナラ打のヒーロー丸は、満員のスタンドに向かって敬礼。深々と頭を下げると、本拠地のマツダスタジアムを真っ赤に染めたカープファンの大歓声に包まれた。

 「今の気持ち?めっちゃ寒いです。(サヨナラの場面は)純粋に還すだけだったので、食らいついていくだけだった。ああいう形になって良かった。最高でーす!」

 延長10回1死満塁。2ボール2ストライクと追い込まれながら鮮やかな中前打を放った。6月5日ソフトバンク戦(マツダ)以来2本目、通算では4本目のサヨナラ打にお立ち台で胸を張った。

 昨季は打率・249と低迷。理由ははっきりしていた。後ろに体重がかかりすぎてバットが出てこず、外角球を打てない。フォームを崩したままシーズンを終えた。今年は2月のキャンプから修正し、手応えをつかんでのシーズンイン。ここまで打率・292で14年以来2年ぶりの打率3割が見えてきた。その不動の3番はこう言った。

 「みんなが最後まで諦めていないし、つなぐ意識がチーム全体に浸透しているので、こういう結果になっているんだと思う」。両リーグトップのチーム打率・275を誇る赤ヘル打線にとって、4点程度なら“ビハインド”とは感じない。1―5の5回に菊池の左越え13号ソロを皮切りに鈴木が中前適時打。そしてエルドレッドが左越え19号2ランを放ち、あっという間に追い付く。抜群の集中力を発揮し、5回までに12安打を放って先発野手全員安打を達成だ。

 今季40度目の逆転勝ちで、球団史上最多のシーズン76勝目。3連勝で貯金は今季最多を更新する30の大台に乗せた。マジックは初点灯の20からわずか8日で一気に11も減らし、とうとう1桁台に突入する「9」とした。

 「マジック1桁?よく言ってますけど、僕自身正直初めてなのでよく分からないです」と笑いを誘った丸。緒方監督は「今年の戦い方。打線は最後まで諦めない攻撃ができた」と満足げに振り返った。2位とのゲーム差も、過去最大だった80年の12を超える12・5に広げた。25年ぶり栄光はすぐそこにある。赤ヘル軍団に死角はない。

 ▼広島・九里(25歳の誕生日で先発も5回持たず4失点で降板)チームにも中継ぎにも迷惑を掛けてしまい、申し訳ないし、悔しい。

 ≪シーズン最多勝利≫広島が今季9度目のサヨナラ勝ち。チームでシーズン9度のサヨナラ勝ちは03年の11度に次ぎ94年に並ぶ2番目の多さだ。この日は1―5から4点差をはね返す勝利。逆転勝利は今季両リーグ最多の40度目になるが、シーズン40度以上は10年阪神の41度以来。広島では04年まで4度あった34度を上回る初の大台になった。また、この日の勝利で今季76勝目。84年の75勝を32年ぶりに塗り替えるチームのシーズン最多勝利になった。

 ≪新井抜きチーム最多13度目勝利打点≫丸(広)のサヨナラ安打は6月5日のソフトバンク戦以来通算4本目で、他にサヨナラ犠飛が1本ある。また、今季の勝利打点は新井の11度を上回るチーム最多の13度目で、うち10度を逆転試合でマークしている。

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