誠也22号&3安打!山田抜き打率2位浮上 首位打者も視野

[ 2016年9月1日 06:45 ]

<広・D>6回裏無死、鈴木は中越えにソロ本塁打を放つ

セ・リーグ 広島3-0DeNA

(8月31日 マツダ)
 広島は8月31日DeNA戦(マツダ)に快勝。連勝で貯金を今季最多29とし、1984年に並ぶ球団史上最多の75勝目をマークした。立役者は鈴木誠也外野手(22)だ。初回の内野安打を先制点につなげ、6回無死からはバックスクリーンに22号ソロを放つなど3安打。2打席目で今季443打席目となり、4年目で初のシーズン規定打席にも到達した。巨人が敗れ、優勝マジックは10。25年ぶり優勝は秒読み段階に入った。

 こう着状態を力ずくで打破した。2―0の6回無死、鈴木が三嶋の外角カットボールを完璧なスイングで捉えた。

 「カット、スライダーがいい投手ですし、直球も強い。しっかりセンターに入っていくイメージで打てました」

 高く舞い上がった打球は勢いを失うことなく、バックスクリーンへ。球団の高卒4年目としては「鉄人」こと衣笠祥雄を超える22号ソロ。初回以来の得点をもたらし、チームを勝利へと導いた。

 先制点も鈴木の一打からだった。初回2死一、二塁。外角カットボールを叩いた打球は三遊間奥深くへと転がる。俊足を飛ばして遊撃内野安打をもぎ取ると同時に、相手の一塁送球ミスをも引き出して得点につなげた。

 「外の変化球は最悪、引っかけてもいい」

 クリーンヒットでなくても、三遊間を意識することで出塁の確率を高める。つなぎの意識と「割り切り」で生み出した先制点だった。

 遊撃内野安打を放った3回1死からの第2打席が今季443打席目となり、シーズンの規定打席に到達。「目標にしてきたところだし、すごく良かったと思う」と表情を緩めた。この日の3安打で打率はヤクルト・山田を抜き・331。巨人坂本の・344に次いでリーグ2位に浮上し、首位打者も視界に入ってきた。好調の要因は「猜疑心」にある。

 「今でも思いますよ。何でこの場にいるのか?何でプロ野球の優勝を狙えるところにいるチームで、スタメンで出させてもらっているのかって」

 いくら数字を残しても慢心しない。それどころか常に自分の実力を疑い続ける。疑えば、足りないところが見えてくる。この繰り返しが成長の主要因となっている。

 この日も試合後すぐにベンチ裏へと引き上げ、毎日の恒例行事となっているスイングチェックに余念がなかった。

 「(状態が)いい時も悪い時も関係ない。良ければやらない、悪ければやるでは意味がない。日々の積み重ねですから」

 25年ぶり優勝は秒読み段階に入ってきた。無限の可能性を持つ男は、頂点を目指して貪欲にバットを振り続ける。(桜井 克也)

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2016年9月1日のニュース