早すぎる…阪神21年ぶりの8月V逸 それでもCSまだある

[ 2016年9月1日 05:50 ]

<中・神>中日に敗れ優勝の可能性が完全に消滅し、うつむいて引き揚げる金本監督(中央)

セ・リーグ 阪神0-1中日

(8月31日 ナゴヤD)
 「優勝」が消えても、闘志は消えない。阪神は31日の中日戦(ナゴヤドーム)に0―1で敗れて今季3度目の5連敗を喫し、リーグ優勝の可能性が完全消滅した。とはいえ、戦いが終わったわけではない。クライマックスシリーズ(CS)進出切符を争う3位・DeNAとはまだ3・5ゲーム差。金本知憲監督(48)は「目の前の試合を、どんどん勝っていくしかない」と前を向いた。

 あまりにもあっさり、この日を迎えた。今季10度目の零敗で、リーグ優勝の可能性が完全消滅。8月中のV逸決定は断トツの最下位に沈んだ95年以来21年ぶりの屈辱となった。それでも当然、闘志の炎が消えることはない。今季のスローガンは「超変革」―。もちろん金本監督の視線は、前にしか向けられていない。

 「(リーグ優勝の可能性の完全消滅について問われ)あっそう。特にないよ。それ(今後も目の前の試合に集中するの)はもちろん。それしかない。何があるの、他に。目の前の試合を、どんどん勝っていくしかないんだから。何度も言っている通り、自分たちの野球をしっかりやるだけ」

 わざわざ言葉にするまでもない。リーグ優勝の可能性が消えたからと言って、戦いぶりがこれまでの124試合と変わるわけがない。残り19試合も全力で変革を推進し、「自分たちの野球」を追い求める。それこそが金本阪神1年目の命題。その積み重ねの先に、まだ可能性を残すCS進出、日本一を見据える。

 「(拙攻は)見ての通り。(メッセンジャーの意気を打線も)感じているとは思うけど。やっぱり、正直、点を取ってあげないと」

 「自分たちの野球」ができなかったこの日は後手に回った。相手先発・吉見の前に打線が沈黙。4回に北條、福留の安打で1死一、二塁と唯一とも言える好機を作り出したが、原口、ゴメスが凡退し、7回4安打1失点と力投したメッセンジャーを援護できなかった。「(吉見に)抑えられたというよりはね。みんな今季は、そんなに(相性は)悪くなかったから。カウント球の変化球をとらえられなかった」と片岡打撃コーチ。高山、北條、原口、中谷ら若手を大量抜てきしている今のチームはまさに発展途上で、試合ごとのパフォーマンスが不安定なのは覚悟の上。味わった敗戦の数だけ「常勝軍団」への歩みが進む。そのために無駄な試合など、1試合たりともない。

 目の前の試合を常に全力で―。指揮官の戦う姿勢は、もちろんチーム全体に浸透している。キャプテンの鳥谷は「目の前の試合を1試合1試合、戦っていくしかない」と呼応した。野手最年長の主砲・福留も「そら、そうよ」と、うなずいた。まだ戦いは、終わっていない。(惟任 貴信)

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2016年9月1日のニュース