不器用、でも優しい…谷繁監督の願い「オレ、今まで言えなかったから」

[ 2016年8月31日 08:30 ]

会見を終え席を立つ谷繁監督

 30日までにシーズン123試合を戦い、最下位に沈む中日。成績不振のため、8月9日のヤクルト戦前、谷繁元信監督(45)の休養が発表された。ナゴヤドーム内で行われた会見後、駐車場で帰りを待っていた担当記者陣が、スーツ姿の指揮官からお願いされたことがある。

 「オレ、今までなかなかそういうことをちゃんと言えなかったから、ファンの人たちには応援してもらったお礼を、ちゃんとうまく、みんなから伝えてほしいんだ」

 02年に横浜(DeNA)からFA移籍。14年から選手兼任監督、最後の半年は監督専任として計14年半もの間、在籍した。そのユニホームを突然、脱ぐことになった。

 ナインも複雑な心境を抱いていた。11年に18勝を挙げて最多勝を獲得し、現役時代の谷繁監督とセ・リーグのバッテリー賞を受賞した吉見は8・9当日の先発投手だった。勝ち星こそつかなかったが、7回1失点(自責0)の好投を見せた。

 「自分の仕事を全うすることを考えていました。今日はいろいろありましたけど、僕がいまあるのは監督のおかげ。“うるさいな”って思うくらい、本当に言われましたけど…。勝って応えたいと思っていた」

 今年プロ6年目で初めて開幕投手を任された大野は翌10日に先発し、5回3失点で敗戦投手。「(思うところは)もちろんありました。気にしてくれていると思うので、いい投球を見せたかった。勝負に対して執着して、勝つための精神を叩き込まれた。何度も部屋に呼ばれました。準備の大切さを学びました」。偉大な先輩から、捕手としての教えを受け続けてきた杉山も「感謝しかないです。存在の大きさを感じます。これからも教わったことを生かしていきたい」と話していた。 

 会見を終えた後、谷繁監督はベンチ裏のロッカーで選手一人一人と握手を交わし、「悔いのないプロ野球人生を送ってほしい」と語ったという。

 不器用だけど、本当は優しい。普段はぶっきらぼうなイメージが強いかもしれない。だが、わざわざ発車しかけた愛車を止め、窓を開けて記者陣に話した姿。とても印象に残っている。 (中日担当・細川 真里)

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