阪神・高山 今季11度目猛打賞!坪井に並ぶ球団新人記録

[ 2016年8月24日 05:45 ]

<D・神>2回無死、中前打を放つ高山

セ・リーグ 阪神9―3DeNA

(8月23日 横浜)
 阪神の高山俊外野手(23)が23日、DeNA戦(横浜)で今季11度目の猛打賞を記録した。球団新人の猛打賞11度は98年の坪井智哉に並んで最多。序盤に快音を重ね、見事なつなぎで大量得点を呼び込み、チームは先発全員14安打、9得点で大勝。3位・DeNAとゲーム差を2・5に縮めた。

 チームにとって負けられない大一番で、高山は一つの壁を乗り越えた。試合前まで7打数無安打と苦手だったDeNA・井納から快音を連発。3回までに3打数3安打で胸にくすぶっていた苦手意識とも決別した。

 「3番に置いてもらっていて、本当にチームに良い流れを持って来られなかった。試合前から“先制するぞ”と言われていて、1打席目にかけていました」。

 初球に集中した。1死一塁で高め146キロ直球を綺麗な軸回転で一閃(いっせん)。右前へ痛烈な打球をはじき返し一、三塁と好機を広げた。

 「3番どうこうではなくチームに流れを持って来られるようにしたい」。

 原口の先制&決勝打を呼び込んだ。さらに2回は先頭で中前打を放ち、中谷の適時打で生還。3回は1死一塁から右前打し、14日の中日戦(京セラ)以来となる出場6試合ぶりの猛打賞を決めた。ここは原口の犠飛で9点目のホームを踏み、安打がすべて得点につながった。

 「同じ相手に何度もやられることが一番良くないこと。“やられたらやり返す”ではないけど、試合に出るからには何とか結果を出さないと」。

 同じ轍(てつ)を踏まないことが信条。試合前まで井納には7打数無安打。内訳は内野ゴロ4つ、内野フライ2つ、1三振。外野へ飛ばすことさえできなかった天敵をアウェーでカモにした。

 「どの球でも精度が良いので絞るのが難しい」。

 苦手意識を払しょくするため懐に飛び込んで情報収集した。7月15日、ヤフオクドームでの球宴初戦。真っ先にグラウンドで井納の姿を見つけ、駆け寄った。「簡単なあいさつですけどね。抑えられてる投手が自分をどういうタイプだと見ているのか知りたかった。それが一番貴重だと思う。せっかくの機会だし、勉強です」。新人だからといって気後れしない。この大胆不敵さも間違いなく魅力だ。

 「(11度目の猛打賞に)1度でも多く、続けていきたい。最後の(左の)砂田投手からもう一本打って、アピールしたかった」。

 11度目の猛打賞は98年の坪井と並ぶ球団新人最多記録で、今季セのトップにも並んだ。難敵攻略しての“勲章”にも満足しない。「(DeNAは)上位にいるチームなので、必死に食らいついていきたい」。CS進出へ正念場が続く猛虎を、底知れぬルーキーがけん引する。(久林 幸平)

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