正義 全快!全開154キロ 右肩炎症癒え4カ月ぶり実戦

[ 2016年8月22日 05:55 ]

<創価大・近大産業理工学部>初回、先頭打者の近大産業理工学部・前田を三振にとる創価大・田中

オープン戦 創価大14―0近大産業理工学部

(8月21日 創価大)
 今秋ドラフトの超目玉、創価大の最速156キロ右腕・田中正義投手(4年)が21日、八王子市内で行われた近大産業理工学部とのオープン戦で約4カ月ぶりに実戦復帰した。4月下旬から右肩の違和感でリハビリが続いていたが、3回を無安打無失点、4奪三振と圧巻の投球。直球の最速は154キロをマークし、駆け付けたスカウト陣に完全復活をアピールした。

 完全復活を予感させる38球だ。田中は初回からこの日最速の154キロを計測した。先頭打者を3球三振に打ち取ると、直球主体で2回1死まで4者連続の空振り三振。失策の走者を許したが、続く打者を二ゴロ併殺に打ち取った。予定の3回を無安打、打者9人で片づけた右腕は、納得の表情でマウンドを降りた。

 「どんどんストライクゾーンへ思い切って強いボールを放っていこうと思った。真っすぐもそんなに悪くなかったので、(復帰後)初めてにしては上出来かなと」

 4月23日の東京新大学春季リーグ・共栄大戦で2回無失点ながら右肩の違和感を訴えて緊急降板。同25日に千葉県内の病院で右肩の軽い炎症と診断され、以降のリーグ戦は登板を回避した。リハビリ中はインナーマッスルや肩甲骨周りの強化に励み、7月6日にブルペン投球を再開。約4カ月間のリハビリを振り返り「今までで一番しんどかったが、100%の状態で臨めるように我慢してきた。思い切り腕を振っても違和感が出ないというのが僕の中では大きい」とうなずいた。

 田中の回復状況は今オフのドラフト戦略に大きな影響を及ぼすだけに、ネット裏には4人態勢で視察した巨人など、国内9球団のスカウトが熱視線を送った。不安を一層する快投に、ソフトバンクの山本省吾スカウトは「圧巻のピッチング。投げ始めにしてはビックリした」とうなった。

 秋季リーグ初戦は開幕第2週の9月10日・高千穂大戦。ラストイヤーに懸ける田中は「5試合なり6試合を全部投げきるのが最低限の仕事。とにかくチームがリーグ優勝できるようにやっていくだけ」と力を込めた。(原田 真奈子)

 ▼巨人・吉武真太郎スカウト(同じくドラフト候補の池田とともに)2人とも良かった。あとはどれだけ長いイニングを投げられるか見ていきたい。

 ▼DeNA・武居邦生スカウト 体も大丈夫そうだし、初登板にしてはいい球を投げていた。トップレベルの投手。

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