【内田雅也の追球】気になった阪神外野陣の守備 3本の二塁打すべて「あと一歩」

[ 2016年8月18日 10:30 ]

<神・広>4回無死、左翼手・高山は天谷の飛球に飛びつくも及ばず

セ・リーグ 阪神2―7広島

(8月17日 京セラD)
 阪神惨敗の試合だが、書きたいことはいくつかある。

 広島先発・福井優也を攻めた打線である。2点を先制し、2回で65球を投げさせた。攻略が見えたように思えたが、結果は勝利投手を献上した。

 打席で6球以上投げさせた打者をあげると、北條史也11球、7球、マウロ・ゴメス9球、今成亮太7球、鶴岡一成10球、9球、投手の藤浪晋太郎も6球、6球と、のべ8人いた。だが放った者はなく、北條が2四球を選んだだけである。

 粘りは評価したいし、福井を消耗させたのは確かだが、あの大量のファウルは打ち損じていただけなのか。好球を一振りで仕留める姿勢が望まれる。狙い球、スイングの鋭さなど、打席に入るまでの準備の問題か。

 3盗塁を許したバッテリーも気になる。うち2個は失点に絡んだ。広島の足を気にするあまり、この夜の藤浪晋太郎をはじめ、阪神投手陣は走者を背負ってからの投球に乱れが出ている。盗塁阻止は投手、捕手とも、課題として目の前に横たわったままだ。

 それより、最も気になったのが外野手の守備である。何しろ、同点から勝ち越しを許した中盤に浴びた二塁打3本はすべて「あと一歩」だった。これを「惜しい」とみるか「行けた」とみるか。

 4回表、同点口火の天谷宗一郎の左中間二塁打は左翼・高山俊が追いつかなかった。安部友裕の右中間前方の飛球は中谷将大が追わず、福留孝介の前に落ちる適時二塁打となった。5回表の丸佳浩中堅左への適時二塁打は中谷将大が突っ込むのをあきらめた。

 守備位置、構え方、投球やスイングに応じた一歩目のスタート、打球判断……など高度な技術論はあろう。ただし、書きたいのは姿勢の方だ。

 特に、同点から勝ち越し点献上となった中谷はなぜトライしなかったのか。捕球と判断した二塁走者・菊池涼介があわててスタートしたほどである。単打で止めようとしたのなら、その慎重さは成長の妨げになる。

 何もこの件だけに限らない。「超変革」の下、登用された若手は結果を恐れずに、最後の最後まで挑戦することだ。

 もう残り30試合となった。「夏果てて、秋の来るにはあらず」(徒然草)である。猛暑のなか、いわし雲が浮かび、赤とんぼが舞う。秋は静かに忍び寄る。球場に秋風はごめんである。 =敬称略=
 (スポニチ本紙編集委員)

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