盛岡大付 9回粘り及ばず 石橋主将号泣…「申し訳ない」

[ 2016年8月17日 05:30 ]

<盛岡大付・鳴門>9回の猛反撃及ばず甲子園を去る(右から)盛岡大付・関口監督、石橋主将ら

第98回全国高校野球選手権第10日・3回戦 盛岡大付9―11鳴門

(8月16日 甲子園)
 2年ぶり9度目の出場となった盛岡大付(岩手)は16日、3回戦で鳴門(徳島)と対戦し、9―11で敗れ、初の8強入りはならなかった。それでも5―11と大量リードされた9回に4番・塩谷洋樹外野手(3年)が左越え3ランを放つなど4点を奪う猛反撃。強力打線で鳴門を追い詰め、最後まで甲子園の大観衆を沸かせた。

 盛岡大付の健闘を称える拍手は、しばらく鳴りやまなかった。9回に見せた驚異の粘りは4万1000人の大観衆を魅了した。最後の打者となった石橋主将は「悔しい。自分が打っていれば勝った試合。申し訳ない気持ちでいっぱいです」と泣き崩れた。

 5―11の9回。菅原、植田の連打で無死一、三塁とし、4番・塩谷が直球を左越え3ラン。「絶対に終わらせない気持ちだった。打った瞬間、いったなと思った」。続く伊藤は空振り三振に倒れたが、二橋が左前打で出塁すると2者連続四球で満塁。ここで代打・赤坂が押し出し四球を選び、2点差に詰め寄った。

 東邦(愛知)が14日の2回戦で5―9の9回に5得点し、八戸学院光星(青森)に逆転サヨナラ勝ち。同戦をテレビで見ていた塩谷は「勝つイメージしかなかった」と振り返る。1球ごとに観客がどよめき、関口清治監督も「奇跡が起こりそうな気がした」という。異様な雰囲気に包まれる中、なお1死満塁で打席には石橋。しかし、打球は無情にも投手正面をつき、投ゴロ併殺でゲームセットとなった。

 大逆転劇は起こせなかったが、強打はファンの記憶に刻まれた。3試合連続2桁安打をマークし計28得点。主砲の塩谷はこの日は4安打6打点。3試合で2発を含む13打数6安打、打率・462、9打点を残した。「甲子園は不思議な力を与えてくれる場所でした」。高校通算53発で終えた塩谷は三塁側アルプス席へあいさつに向かう際、号泣する石橋の肩を叩き「ここまで来られたのはおまえのおかげ。胸を張ってくれ」と声をかけた。

 甲子園を夢見て全国各地から集った個性派軍団。副将の塩谷は、石橋が時に厳しい言葉をかけてチームをまとめる姿を間近で見てきた。だからこそ、悔いはない。「石橋が打てなくて終わるならチームの一番良い終わり方です」ときっぱり。石橋は「みんなで甲子園の勝利を味わえて最高でした」と感謝を口にした。

 関口監督は「紙一重だった。よく頑張った」と選手をねぎらった。同校初の甲子園同一大会2勝を挙げ、新たな歴史をつくった。塩谷は「とにかく楽しかった。後輩には自分たちより上にいってほしい」と言った。その目に涙はなく、死力を尽くした充実感がにじんでいた。 (青木 貴紀)

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