境・永田 脱臼で手術…高校生活の大半がリハビリ 夢舞台で「最高でした」

[ 2016年8月14日 10:00 ]

<明徳義塾・境>8回表無死、代打で登場し、打席で笑顔を見せる境・永田

第98回全国高校野球選手権大会2回戦 境2―7明徳義塾

(8月13日 甲子園)
 無我夢中でボールに食らいついた。2―5の8回無死。代打・永田は5球目の直球を強振したが、打球は三塁正面を突いた。公式戦2度目の打席は高校最後の打席となってしまった。それでも、試合後は「ずっと目指していた舞台に立てた。最高でした」とすがすがしい表情を浮かべた。

 高校入学後、1年生の9月までに右肩を2度脱臼した。12月には再発を防ぐための内視鏡手術も受けた。高校生活の大半をリハビリに費やし「何回もやめたいと思ったし、野球ができなかったのが一番つらかった」。それでも踏みとどまれたのは、坂口健一監督が自身を「ずっと選手として見てくれた」から。リハビリ中はインナーマッスルの強化などに努め、今夏の鳥取大会準々決勝で代打で公式戦初出場。甲子園のグラウンドに立つという夢までかなえた。

 甲子園の土は家族やベンチ外の選手、同級生らに贈るつもりだ。「支えてくれたのは野球部の人だけじゃない。いろんな人に渡したい」。胸を張って故郷に帰り、感謝の思いを伝える。 (原田 真奈子)

 ◆永田 竜海(ながた・たつみ)1998年(平10)7月10日、鳥取県生まれの18歳。小1から福米西小で野球を始め、福米中では二塁手。境では2年秋に初めてベンチ入り。好きな言葉は「ありがとう」。1メートル70、55キロ。右投げ左打ち。

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