黒田 史上初日米通算500試合先発!筒香を3打席連続三振斬り

[ 2016年8月14日 05:45 ]

<D・広>7回2死一、二塁、桑原を遊ゴロに打ち取り雄たけびを上げる黒田

セ・リーグ 広島1―2DeNA

(8月13日 横浜)
 広島・黒田博樹投手(41)がまた一つ偉業を達成した。13日、DeNA戦(横浜)で7回8安打1失点の粘投。日米通算では史上初の、日本球界を含めると7人目の通算500試合先発を果たした。打線の援護なく勝ち負けはつかなかったが、筒香を3打席連続三振に斬った投球はキラリと光った。試合は延長10回、4番手・薮田が筒香に決勝打を許し、今季5度目のサヨナラ負けを喫した。

 同点の6回がハイライトだった。1死一、三塁のピンチで打席に4番・筒香。カウント2―2から内角カットボールで体をのけぞらせ、最後は外角ボールゾーンから絶妙のコースにスライダーを決めた。見逃し三振。続くロペスを遊ゴロに仕留めると、黒田は吠えた。

 「(筒香は)力のある打者。石原がいいリードをしてくれたおかげ。リード通りに投げたら、いい結果になりました」

 対筒香は今季7打数4安打の打率・571。前回7月30日の対戦では、本拠地で手痛い一発も浴びた。見事なリベンジ。1回2死二塁で空振り三振、4回にも見逃し三振に斬った。決め球はいずれも宝刀ツーシーム。筒香だけじゃない。

 7イニングで先頭打者を6度出塁させ、8安打を許しながら、5回の1失点のみに抑えた。「完ぺきに抑えるのは無理。切り替え、次の打者に集中しました」。畝投手コーチは「ブルペンの調子は悪かった」と説明したが、最速は149キロを計測。気迫満点の投球だった。

 勝ちたかった。日米通算500試合先発(日本289試合、メジャー211試合)の節目。日米通算201勝を誇る野茂英雄でさえ452試合にとどまり、日本でも米田哲也、小山正明、鈴木啓示、金田正一、東尾修、山本昌の6人しか達成していない。黒田は言う。

 「ボクにとって意味はスゴくありますよ。マウンドに立ち続けないと、(達成は)無理なので」

 所属チームで実績を残し、長く信頼を集めてきた証明。7月23日の阪神戦で達成した200勝がクローズアップされがちだが、「自分でコンロトールできない」勝ち負けよりも、右腕にとっては意義深い勲章だ。だからこそ、勝利でメモリアル登板を飾りたかった。

 「黒田はよく粘って投げてくれた。最後まで試合をつくってくれた」

 緒方監督は粘投の右腕をそう労った。2位・巨人が敗れたため6・5ゲーム差は変わらないものの、チームが敗れてしまっては黒田に仕事を果たした充実感はない。

 「ここまで来たら自分の成績どうこうより、投げた試合でチームを勝たせたかった。それができなかったのが悔しい」

 自らを厳しく律する41歳。その姿勢が首位のチームにまた結束を呼ぶ。(江尾 卓也)

 ≪黒田 日米通算先発500試合登板≫黒田(広)が13日のDeNA戦(横浜)に先発し、日米通算で先発500試合登板を達成。メジャー経験者では初めてで、2位は野茂英雄の452試合。内訳は日本で289試合、米国で211試合。国内の先発500試合はこれまで6人が達成。広島の投手では北別府学の460試合が最多。

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