智弁学園　ミスに泣き春夏連覇ならず…村上　笑顔絶やさず力投

＜鳴門・智弁学園＞春夏連覇はならず、甲子園の土を袋に入れる智弁学園・村上

第９８回全国高校野球選手権大会２回戦 智弁学園２―５鳴門

（8月13日 甲子園）
　春夏連覇を狙った智弁学園（奈良）は、２―５で鳴門（徳島）に敗れた。

　春夏連覇は夢と消えた。同点の９回２死満塁から鎌田に右前決勝打を浴び、右翼手の失策も重なって重い３点を失った智弁学園のエース村上は「納も太田もいいプレーをしてくれたのに、最後に踏ん張れなかった」と自らを責めた。

　初回に自身の適時打などで２点を先制したが、その後は援護がなく我慢の投球。５回２死二塁から適時失策で１点を返され６回も失策絡みの１死三塁から同点適時打を浴びたが「最後まで笑っていた方が、いい力が出せる」と笑顔だけは絶やさなかった。小坂将商監督は「村上はよく投げた。これだけミスしたら負けますよ」と、今年の甲子園全７試合を一人で投げ切った右腕をかばった。

　試合後も村上の目に涙はなかった。「自分が泣いてしまうと、みんなに申し訳ない。ここはこらえています」。悔しさをしまいこみ、さらに成長することを誓って選抜Ｖ腕が聖地に別れを告げた。　（石丸　泰士）