木更津総合・早川ツーシームさえた!2安打12K完封ショー

[ 2016年8月14日 05:30 ]

<木更津総合・唐津商>ツーシームを投じる木更津総合・早川

第98回全国高校野球選手権大会2回戦 木更津総合2―0唐津商

(8月13日 甲子園)
 2回戦4試合が行われた。今春センバツ8強の木更津総合(千葉)は、エース左腕の早川隆久投手(3年)が2安打完封。12奪三振の力投で唐津商(佐賀)を2―0で下し、初戦を突破した。

 115球目、早川が外角低めへ丁寧に直球を投げ込むと、球審の右手がすっと上がった。この日12個目の三振を見逃しで奪い、1時間31分の完封劇を締めた。「こっちに入って調子は良くなかったので、制球重視で投げたのが良かった。完封できてうれしいです」

 今春センバツの準々決勝・秀岳館戦の悔しさを晴らした。8回まで2安打無失点に抑えていたが9回に連打を許してサヨナラ負けを喫した。右打者の内角に投じた直球がボールとなる微妙な判定をきっかけに崩れた。あの1球を糧に、制球力に磨きをかけてきた。

 さらに力を入れたのがツーシームの精度アップだ。「(右打者へ)もっと逃げる球があれば思った」と、広島・黒田の著書をページが破れてボロボロになるまで読み込んだ。「もう少し落差をつけたい」と、DeNA山崎康のツーシームも動画で研究。スクリュー気味に逃げながら落ちていく新兵器の効果は抜群だった。直球、スライダーも交えて、初回は3者連続三振。最後まで二塁を踏ませなかった。

 センバツ後に悔しさを口にすることはなかったが、寮の自室にサヨナラ負けの新聞記事を貼って奮い立たせた。15個もあった試合前のルーティンもやめた。「それに頼らなくても勝てる投手になりたかった」。春の負けが早川を大きく成長させた。

 「秀岳館にリベンジできたらいいなと。春と甲子園の雰囲気は違うけれど、自分は変わらずに投げていきたい」。一喜一憂せず、冷静だったその姿は大黒柱と呼ぶにふさわしかった。 (松井 いつき)

 ◆早川 隆久(はやかわ・たかひさ)1998年(平10)7月6日、千葉県生まれの18歳。小1から野球を始める。横芝 中では軟式野球部。木更津総合1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。家族は両親と姉2人。1メートル80、73キロ。左投げ左打ち。

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2016年8月14日のニュース