控え選手の勲章だ!プロ野球における“トリプルダブル”とは?

[ 2016年8月14日 12:16 ]

ロッテ・岡田

 バスケットボールでよく聞く「トリプルダブル」をご存知だろうか。

 得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロック。この5項目中3項目を1試合で2ケタ記録すると「トリプルダブル」と呼ばれる。トリプルダブル達成は攻守ともに優れている選手の証だ。

 ここで、プロ野球において走攻守に優れている控え選手だと証明する数値を、「トリプルダブル(仮)」として定義してみたい。

◎プロ野球における「トリプルダブル(仮)」とは?

 バスケットボールの「トリプルダブル」は、1試合での判断指標。だが、プロ野球においては1シーズンで定義した。

 そのうえで代打、代走、守備固め。それぞれが1シーズンで2ケタ起用されれば「トリプルダブル(仮)としたい。代打に立てる「打力」、代走で試合を左右する「走力」、守備要員としての高い「守備力」。これらがそろってこそ「トリプルダブル(仮)」達成といっていいだろう。

 走攻守揃っている控え選手は、各球団そう多くない。自分の贔屓チームを思い浮かべて欲しい。代打の切り札や、代走のスペシャリストの名はすぐに挙がるだろう。

 しかし、代打、代走、守備固めのすべてで途中出場できる選手はなかなか思い浮かばないのではないだろうか?

◎2015年シーズンの「トリプルダブル(仮)」達成者は誰だ?

 参考までに昨シーズンの「トリプルダブル(仮)」達成者を紹介しよう。

【代打/代走/守備交代(途中出場数)】
大和(阪神) 10/24/24
俊介(阪神) 34/23/36
野間峻祥(広島) 20/24/45
三輪正義(ヤクルト) 11/27/37
高田知季(ソフトバンク)17/10/18
福田秀平(ソフトバンク)10/19/20
杉谷拳士(日本ハム) 13/14/14
岡田幸文(ロッテ)  13/22/35
脇谷亮太(西武) 16/13/35

 達成者は12球団でわずか9人。昨シーズンは両リーグ合わせて3割打者が8人だったので、「トリプルダブル(仮)」は3割打者くらい希少なのだ。

◎今シーズンの達成候補者は?

 今シーズンの「トリプルダブル(仮)」に関する数字を見てみよう。

【代打/代走/守備交代(途中出場数)】
比屋根渉(ヤクルト) 18/15/12
関根大気(DeNA) 13/10/17
岡田幸文(ロッテ)  10/13/17
城所龍磨(ソフトバンク)10/14/14
寺内崇幸(巨人) 8/12/16
上田剛史(ヤクルト) 11/8/18
西川龍馬(広島) 19/6/17
駿太(オリックス)  13/4/17

 比屋根、関根、岡田、城所とすでに4選手が「トリプルダブル(仮)」を達成している。岡田は2年連続の達成だ。

 新人ながら開幕1軍入りを果たした西川も代打、守備はクリア。あとの課題は代走のみだ。広島には代走のスペシャリスト・赤松真人がいることもあり、また、上田には上記の比屋根、駿太には小田裕也と代走として最優先に出場する選手がいるため、なかなか数字が伸びてこない。彼らに比べれば、投手への代打がある寺内のほうが可能性は高そうだ。

 トリプルスリーのような派手さはないが、長いシーズンを戦う上で控え選手は必要だ。何でも屋としてチームに貢献する控え選手にスポットライトを当てる記録も、野球を楽しむ上で欠かせない。野球はチームでやるスポーツなのだから。(『週刊野球太郎』編集部)

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