日本に“ハマる”広島助っ人 ヘーゲンズ「品川は書けるよ」

[ 2016年8月10日 09:30 ]

3日のヤクルト戦で7回から登板したヘーゲンズ

 「7回の男」が8月12日からのDeNA3連戦(横浜)で来日初となる先発マウンドを踏む可能性が高くなった。広島のヘーゲンズだ。

 「前半戦から中継ぎとして勝ちに貢献することを意識してきた。仮に先発で投げるのだとしてもそれは変わらない」

 25年ぶりのリーグ優勝に向けたペナントレースも終盤に差しかかる中でチームに苦難が訪れた。先発ローテーションを担っていた新人の岡田が7日の巨人戦で右肩に違和感などを覚え戦線離脱。先発していた戸田は痛めた左手首の故障が完治しておらず、大瀬良や中村恭も2軍再調整中。畝投手コーチが「緊急事態」と話す状況下で、マイナーリーグで通算105試合と先発経験豊富な助っ人右腕に白羽の矢が立った。

 昨季はレイズ傘下3Aで14試合に登板。うち12試合で先発しすべて5イニング以上を投げ5勝5敗、防御率2・70の好成績を残している。米国での先発は9月5日が最後だが、実績面での不安はない。

 広島では、勝利の方程式として主に7回に登板しジャクソン、中崎へとつなぐ役割を担ってきた。50回2/3を投げ、22奪三振で防御率2・49(9日現在)。菊池、田中の鉄壁の二遊間がいる広島にあって、低めに球を集めて打たせて取る投球スタイルがはまっている。

 日本球界での活躍の要因の一つに、日本語への関心の高さがある。異国の地での日常の中で、ささいな楽しみを見出しているのだ。練習用具を入れるリュックには、カタカナで「ヘーゲンズ」とマジックで書いてある。「洗濯物に書かれる名前や新聞記事を見て、自分の名前をどう書くのかを覚えたから、自分で書いたんだ」。漢字にも興味津々で、新聞の個人成績表を見つめ「今は(ヤクルト)山田が打率2位なんだね」などとクラブハウスで話しているという。「山」「田」「谷」「川」「品」といった左右対称の漢字がお気に入り。「駅でよく利用する“品川”は書けるよ」と胸を張る。

 好きな日本語は「なにしとん」「なに見とん」「なに言っとん」の3つ。「便利な言葉だと思ってね。よく使っているよ。それに、すごく似ている響きなのに、一個一個意味合いが全然違う。おもしろいよね」

 久々の先発マウンドは、試合をつくれるかが焦点となる。「なにしとん」と周囲からツッコミを受けないような投球内容で、チームの窮地を救ってほしい。 (記者コラム・柳澤 元紀)

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