阪神 タメ息3連敗 同じ10安打なのに…コイは10点トラは3点

[ 2016年8月10日 05:30 ]

<広・神>初回2死、狩野は中前打を放つ

セ・リーグ 阪神3―10広島

(8月9日 マツダ)
 阪神は9日、敵地での広島戦で3―10の大敗。約1カ月半ぶりに先発出場した狩野恵輔外野手(33)の3安打などで苦手のジョンソンを6回3失点で降板させながら、投手陣は炎上した。それでも相手助っ人左腕から3点以上を奪ったのは8度目の対戦で初。打線の状態は上向きだけに、これで5勝14敗となった広島に今日こそやり返したい。

 託された使命は「ジョンソン撃ち」。狩野は自らの役割を見事に果たした。ただ、それが勝利につながらない。約1カ月半ぶりのスタメンで、2年ぶりの猛打賞をマークした代打職人が、もどかしい胸の内を吐露した。

 「追い上げる展開だったんで…。何とも言えないですね。自分自身は、出た時はしっかり仕事したいと思っている。でも勝ちたいんでね」

 チームが苦手としているジョンソンが先発とあって「3番・左翼」で6月19日のソフトバンク戦(甲子園)以来の先発出場。初回2死の第1打席でいきなり中前にはじき返した。1―5の5回1死三塁では、追撃の右前適時打。相手投手が今村に替わった7回も右前打し、14年8月29日のヤクルト戦(甲子園)以来、2年ぶり7度目の猛打賞を決めた。

 試合前の時点でチームはジョンソンと7度対戦して未勝利。左腕に4勝を献上していた。そこで金本監督は7日のヤクルト戦(神宮)で3安打を放った高山をスタメンから外し、右打ちの狩野を抜てき。江越をプロ初の1番で起用するなど「ジョンソン対策」を練ってきた。江越も適時打を放ち、8度目の対戦で初めて3点を奪うなど攻略の糸口はつかんだ。

 「そうね。粘って球数も投げさせて。そういう意味でもジョンソンに対しては上がり目はあったんじゃないかな」と指揮官。たが、岩貞の突然の乱調で早々と大量リードを奪われたことで左腕を楽にし、崩しきるまではいかなかった。

 ただ、首位チームとの対戦で改めて課題が浮き彫りになった面もある。同じ10安打で自軍の3点に対し、相手は10得点。これで5勝14敗となった敵軍との差を見逃すわけにはいかない。

 「粘りは見せたけど。向こうはワンチャンスをものにして4点、5点。こっちは残塁が多いというか。ヒット数を見てもわかるように」

 打線の状態は上向きで投打の歯車さえ噛み合えば…、というところまでは来ている。首位にやられ続ければ、リーグ全体の灯も消えてしまう。残り2戦は連勝が絶対条件。広島から負け越しては帰れない。 (山添 晴治)

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2016年8月10日のニュース