イチロー 偉業で再認識「他人が喜んでくれることが何より大事」

[ 2016年8月8日 14:25 ]

メジャー3000安打の金字塔を達成したイチローは観客の声援にヘルメットをとって応える(AP)

ナ・リーグ マーリンズ10―7ロッキーズ

(8月7日 デンバー)
 米大リーグ、マーリンズのイチロー外野手(42)は7日(日本時間8日)、コロラド州デンバーで行われたロッキーズ戦に「6番・中堅」で8試合ぶりに先発出場、7回の第4打席で右越え三塁打を放ち、メジャー史上30人目の通算3000安打を達成した。

 試合後に開かれた会見でイチローは「この一週間(人より老化の早い)犬みたいに年取ったんじゃないかと思う。達成した瞬間にチームメートやファンが喜んでくれた。記録より、僕が何かをすることで他人が喜んでくれることが何より大事だと再認識した」と心境を語った。

 偉業達成には足踏みもあったが「人に会いたくない時間もたくさんあった。これまで感情を殺してプレーをしてきたつもりだけど、うまくいかず、苦しい時間だった。でもこれだけ長い時間、特別な時間をプレゼントしてくれたと考えれば、これも良かったなと今は思う」と振り返った。

 2005年に亡くなった恩師の元オリックス監督・仰木彬氏にも言及。「(記録達成の)きっかけをつくってくれたのは仰木監督。神戸で2000年の秋にお酒の力をつかって僕が(メジャー行きを)口説いたんですけど、仰木さんの決断がなければ、何も始まらなかったと思う」と改めて感謝の言葉を述べた。

 メジャー通算3000安打を三塁打で達成したのは、1996年にツインズで大台に届いたポール・モリター現ツインズ監督以来、イチローが史上2人目。モリター監督はイチローがシーズン最多安打を塗り替えた2004年のマリナーズの打撃コーチで、互いに認め合うだけに、イチローは「打球が上がった瞬間は(フェンスを)越えてほしいと思った。でも三塁打で決めたのがモリターと僕ということだったので、結果的に三塁打で良かった」と喜んだ。

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