出雲“神対応”キャッチャー林 最後まで誠実な人柄

[ 2016年8月8日 08:03 ]

<出雲・智弁学園>6回、追加点を奪われマウンドに集まる林(左)ら出雲ナイン

第98回全国高校野球選手権大会第1日・1回戦 出雲1―6智弁学園

(8月7日 甲子園)
 最後の打者となった試合後、ベンチに座ったまま号泣し言葉を絞り出していた出雲の林は、他の選手が立って対応しているのを見て、慌てて立ち上がった。「僕だけ座っていてすみませんでした」。最後まで実直な人柄が表れていた。

 島根大会決勝・立正大淞南戦に勝利しマウンドに歓喜の輪ができる中、相手のバットをベンチまで届け輪に入らなかったことが『神対応』と話題になった。「(監督の)植田先生の話を受けて、自分で考えた結果です」。相手を思いやることの大切さを行動で示し、この日も相手打者のバットを何度も拾い上げて渡した。

 大社中時代のチームメートは出雲、出雲商、大社に分かれて進学したため、どこかが甲子園に行こうと話していた。この日は夢破れた昔の仲間からスパイクやフットガードなどを借りて試合に臨んだ。土や汗のしみこんだ道具は「洗わずにそのまま返します」。健闘した証しと、自らが経験した甲子園のすばらしさを一緒に感じてもらうつもりでいる。(石丸 泰士)

 ◆林 将広(はやし・まさひろ) 1999年(平11)1月29日生まれ、島根県出身の17歳。小4時に荒木スポーツ少年団で野球を始め捕手。大社中では内野手兼捕手。出雲では1年夏からベンチ入りし同年秋から正捕手。50メートル走6秒9、遠投90メートル。1メートル71、71キロ。右投げ右打ち。

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2016年8月8日のニュース