キラキラネームじゃない!“難読球児”から見える意味と両親の願い

[ 2016年8月7日 09:45 ]

鳴門の中山晶量投手

 時代に合わせて高校球児の名前のバリエーションが増えている。イマドキのキラキラネームもいれば、この時代だからこそ、幸太郎、順之助といった名前の選手もいる。

 今夏の甲子園に出場する選手やドラフト候補に挙げられる力のある選手から、“難読球児”や興味深い名前の球児をピックアップしてみた。

◎とても縁起のいい名前
 ★中山晶量(なかやま・てるかず/鳴門高)

 「晶量」と書いて「てるかず」。結構な難読かと思いきや、検索をかけると普通に出てくる。のっけから筆者の学のなさが浮き彫りに……。

 この漢字の組み合わせは画数がものすごくよく(12画と12画)、ある子どもの名づけサイトでは「大吉」とされていた。

 1年夏からメンバー入りし、将来性が期待されたものの、順調に進まなかった高校野球生活。ただ、なにか1つキッカケで3年夏の甲子園が“大吉”になるかもしれない。バックボーンを知ると期待したくなる名前だ。

◎野球をする男の子にぴったりの漢字
 ★石原彪(いしはら・つよし/京都翔英高)

 それほど難読ではないが、あまり使われることのない漢字ということでラインナップ。音読みは「ひょう」(ハイスピードで走る猛獣)であることから、男の子の名前としてはバッチリなのかもしれない。

 実際はどんな選手かというと、強打を誇る京都翔英打線の4番で、ぽっちゃり型の捕手。……と書くと、「ヒョウっぽくない」と思われるが、実は50メートルを6.0秒で走るという脚力も備えている。騙されることなかれ。名は体を表すのだ。甲子園では走りっぷりも見てほしい。

◎ピッチャーじゃなくてよかった
 ★田城飛翔(たしろ・つばさ/八戸学院光星高)

 「ひしょう」ではなく「つばさ」と完全なる当て字だ。しかし、引きそうにならないのは、彼が野手であり、長打力が魅力である選手だからだ。名前の通りに育つ……彼は純粋な選手なのだろう、と勝手に思い込んでしまう。

 投手だったら、ロッテ、ヤクルトでプレーする、あの左腕になってしまうところだった。余談だが、三重・菰野高の2年生に岡林飛翔という投手がいることを記しておきたい。

 以上3選手は甲子園に出場するので、そのプレーぶりに注目だ。
 以下の2選手は地方大会で敗退したものの、今後に期待したい選手。

◎甲子園ではできなかったが、将来、その名を響かせてほしい
 ★木村天響(きむら・たかなり/富島高)

 2年秋の宮崎県大会で5割オーバーの打率を叩きだし、3年春は県優勝に導いたプロ注目の強肩捕手。「天まで響く」という字面だけを見ても、お天道さまに届くような活躍を期待したくなる逸材だ。

 ちなみに彼自身に当てられた読み方は普通だが、「ティナ」と読ませる親御さんもいるらしい。

◎もしかして……神からの使い?
 ★神村月光(かみむら・ひかり/滋賀学園高)

 「月光」と書いて「ひかり」と読ませる。今春のセンバツで活躍した滋賀学園高の2年生エース。小柄ながらもセンスが光る。

 気になったのは名前だけでなく、「神の村に月の光が差す」という名字と絡んだときの神々しい響き。野球の神様からの使者なのではないか……。という気さえしてくる。

◎親心にあふれる球児たちの名前

 高校球児の名前を紹介して、あらためていろいろな名づけ方があるのだと感じた。名前は一生つき合っていくものだし、「名は体を表す」ということわざもあるので、一朝一夕には名づけられない。それだけに調べていくと、両親が腐心して考えたのだというのが伝わってくる。(『週刊野球太郎』編集部)

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