巨人・坂本 7戦連続マルチ安打 6連勝で最接近5.5差

[ 2016年8月6日 05:30 ]

<広・巨>長野(右)と笑顔でハイタッチの坂本

セ・リーグ 巨人5―4広島

(8月5日 マツダ)
 セ・リーグ2位の巨人が5日、首位・広島との真夏の直接対決3連戦で先勝した。菅野智之投手(26)が左足親指の血マメで4回で降板した中、2―3から8回に追い付き、9回に坂本勇人内野手(27)が決勝打を放った。今季最長に並ぶ6連勝で最多タイの貯金7。広島に今季初の3連敗となる黒星を付け、最大11あったゲーム差は5・5まで縮まった。

 次戦のことで頭はいっぱいだった。土壇場の決勝打。坂本は喜びは胸にしまい、すぐに気持ちを切り替えた。

 「明日からの方が大事になる。6連勝したのでいい流れで連勝を伸ばせるように、一試合一試合集中したい」

 ビハインドを3度追い付き、そして最後に勝ち越した。3―3で迎えた9回1死満塁。「いい形でつないでくれた。犠牲フライでもいい」と打席に立った。中崎が内角に投じたシュートを巧みに捉えた左前への決勝打。8回の右前打を合わせ、7試合連続マルチ安打とした。エース・菅野が早期降板を乗り越えた勝利に「明日につなげていきたい」と力を込めた。

 「打ち水」の御利益?かもしれない。舞台の広島は最高気温35度と今年一番の猛暑になった。試合直前、しゃく熱のグラウンドで打撃練習を行っていた坂本は、織田淳哉広報部員にあるお願いをした。「もうビッチョビチョにしておいてください」。ベンチ内の床をホースの水で濡らすよう要望。ナインが少しでも涼しく試合を迎えられるようにという主将の配慮だった。打ち水に場を清める神道的な意味合いがあることを知ってか知らでか、打ち水効果で打った。

 「ピカチュウ」をゲットする幸運もあった。巨人でもポケモンGOが大流行中。実はマツダスタジアムはピカチュウが多く現れるスポットで、球場入りしてから練習が始まるまでのリラックスタイムに、ポケモンを象徴する希少な一匹を捕獲。その勢いのまま直接対決初戦をゲットした。

 広島とは5・5ゲーム差。6差未満になるのは6月17日の5差以来で、首位にじわじわプレッシャーを与える。高橋監督は「こういう厳しい戦いを取れたのは選手がよく頑張ってくれたということに尽きる」とねぎらった。打率リーグトップ・337の主将を軸に、打線は5試合連続2桁安打。さあ、コイの尻尾が見えてきた。 (神田 佑)

 ≪「メークドラマ」と同ペース≫巨人は広島に7月23日に今季最大に並ぶ11ゲーム差をつけられて以降8勝1敗。広島は3勝7敗で5・5差まで接近した。「メークドラマ」の96年も最大11・5差だった7月6日以降、巨人8勝2敗、広島2勝7敗で5・5ゲームを縮め、20年前と同ペースだ。

 ≪最多記録にあと1試合≫坂本(巨)は7月28日広島戦からの安打は2、2、2、3、2、2、2と7試合連続2安打以上。2リーグ制後の巨人では54年与那嶺、85年中畑がマークした8試合連続マルチ安打の最多記録にあと1試合に迫った。

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