ロッテ涌井 “横浜魂”9勝 母校Vから刺激 連敗止めた

[ 2016年8月1日 05:30 ]

<ロ・楽>7回零封の好投でチームの連敗を4で止めた涌井

パ・リーグ ロッテ2―0楽天

(7月31日 QVCマリン)
 ロッテの涌井秀章投手(30)が楽天戦で7回無失点と好投し、今季9勝目をマークした。気温、湿度とも厳しい条件だった中、110球の力投。母校・横浜の夏の甲子園出場に刺激を受けた右腕は、高校時代から培ってきたスタミナを武器に終盤のピンチも切り抜けて、チームの連敗を4で止めた。

 意地でもチームの連敗を止める。涌井にとってトーナメント制の高校野球のように負けられない一戦だった。最大のピンチは2―0の7回1死満塁。「内角を攻めれば内野フライになったり、きれいなヒットはない」と聖沢を内角攻めで追い込み、最後は148キロ外角直球で左飛に斬った。続く藤田は148キロの内角直球で詰まらせて捕飛に料理。力勝負で相手をねじ伏せた。

 ナイターでも気温は30度近くあり、湿度は80%を超えていた。7回110球を投げきると右前腕がつりそうになったために降板した。「湿気が凄かった。最初から汗をかいていた」。今季18試合全て6回以上投げ、100球以下は1試合(92球)のみ。「長く投げないといけない」と話す右腕は、全力を出し切って降板を申し出た。

 後輩たちに負けられない。この日、全国高校野球選手権の神奈川大会で母校・横浜が優勝を飾った。エース・藤平は同じ千葉出身の右腕で「涌井2世」と呼ばれる。「試合前に甲子園を決めて刺激をもらった。母校が勝つのはうれしいし頑張ってほしい」。高校時代が原点だ。走り込みの量は投手陣で最も多く、楠トレーニングコーチは「年々、燃料タンクが大きくなる。走る量も増えている」と話す。涌井だけランニングメニューを本人に任せているという。右腕は「(走り込みは)高校の時の10分の1」と涼しい顔。とにかく走ってスタミナをつけた。

 連敗を4で止め、2日からは7ゲーム差の2位・日本ハムとの3連戦。伊東監督は「次につながる。(2日から)また強敵だからね」と汗を拭った。再び熱い戦いとするためにもエースは腕を振る。 (渡辺 剛太)

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