広島・田中「奇跡」の連発 7年間一緒にプレーした菅野撃ち

[ 2016年7月29日 05:30 ]

<巨・広>3回2死、田中は右中間に先制ソロを放ちナインとハイタッチ

セ・リーグ 広島4―0巨人

(7月28日 京セラD)
 首位・広島は28日、2位・巨人を4―0で下し、10ゲーム差に引き離した。田中広輔内野手(27)が東海大相模、東海大で同期だった菅野智之投手(26)から3回に右中間に先制の10号ソロ。プロ3年目で初の2桁本塁打に乗せると、6回にも自身初の2打席連発となる11号ソロを左翼席に運んだ。「初もの尽くし」の同期撃ち。負ければ今季初の3連敗を喫した試合で勝利をもたらし、最短で30日にもマジックが点灯する。

 かつて、7年間も一緒にプレーした。田中は、菅野の背中をいつも守備位置から見守っていた。今や、敵。優勝を争うライバル。ならば遠慮はいらない。好調なカープ打線のけん引役である1番打者が、痛烈な一発を見舞ったのは3回だ。2死走者なし。1ボールから128キロの外角スライダーを振り抜いた。自身初の2桁本塁打となる先制10号ソロが、右中間スタンドに飛び込んだ。

 「何とかしようという気持ち。最高の結果になった」。ベンチに戻った菅野が、グラブを叩きつけて悔しがった一撃。強烈なパンチは1度では終わらない。6回1死。相手は力勝負で来た。内角に153キロ直球が2球。2ボールからの3球目は、外角低めへの153キロのワンシームだった。厳しいボールを今度は左翼に流し打った。「奇跡です!うまく打てた!」。自身初の1試合2発&2打席連発。チームは菅野からは3安打。まさに値千金の田中の2本塁打だった。

 「対戦するのが楽しい」。東海大相模、東海大のチームメート。「食事や野球の話を一番よくした」という「同期の桜」だ。田中は大学卒業後、JR東日本で2年間プレーしてプロ入り。社会人だった13年3月に結婚もしている。一方の菅野は、11年ドラフト会議で日本ハムから1位指名されたが入団を拒否。1年間の浪人のすえに巨人に入団した。昨季の対戦は18打数7安打、打率・389と田中の圧勝だった。この日が初アーチ。本人は「自分の中で苦手意識はない」と言い切る。今やリーグを代表する投手。いかに攻略するのか。

 「悪いなりに抑えられるのが菅野の長所。そこは昔からずっと変わっていない。見てみて…じゃなく、積極的にいかないとやられる。甘い球をどんどんいくしかない」。まさに有言実行。2本ともファーストストライクを果敢に打ちにいった。相手が見せた、ほんのわずかな隙を突いた。

 負ければ今季初の3連敗となる一戦。はるか眼下の敵ながら、2位・巨人との差を再び10ゲームとした。今季から、かつて高橋慶彦や東出輝裕ら名内野手が背負った背番号「2」に変わった田中は「まだまだ試合は続く。気を引き締めていく」。最速で30日に優勝へのマジックナンバーが点灯する。真夏。もうすぐ7月が終わる。真っ赤に染まったカープの夏は、ここからさらに熱くなる。

 ◆田中 広輔(たなか・こうすけ)1989年(平元)7月3日、神奈川県生まれの27歳。東海大相模では2年春の甲子園に出場し、2回戦の清峰(長崎)戦で敗れた。東海大4年秋に首都大学リーグ首位打者。JR東日本では12、13年と都市対抗で準優勝し、12年には新人賞にあたる若獅子賞を受賞した。13年ドラフト3位で広島入団。1メートル71、81キロ。右投げ左打ち。

 ≪菅野からマルチ本塁打は田中が初めて≫田中(広)が初の1試合2ホーマー。今季の本塁打は11本となり、14年の9本を上回る初のシーズン2桁本塁打になった。この日の2本塁打はいずれも菅野(巨)から。試合前までの通算対戦成績は31打数7安打、0本塁打、1打点で打率.226と抑えられていたが、12試合、38打席目で初アーチを放った。また、菅野からマルチ本塁打を記録したのは田中が初めてだ。なお、チームには早ければ30日にもマジックが点灯する。条件は広島がDeNAに連勝、巨人がヤクルトに連敗でM36が出る。

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