【愛媛】松山聖陵アドゥワ 涙の初聖地「ほっとしている」

[ 2016年7月29日 05:30 ]

第98回全国高校野球選手権愛媛大会決勝 松山聖陵3―2新田

(7月28日 松山中央公園)
 最後の打者を右飛に仕留め仲間と歓喜の輪をつくると、松山聖陵・アドゥワ誠は感極まった。整列の時には右手で何とか隠した涙が、校歌を歌う時には頬を伝った。

 「いろんな思いを背負ってやってきたので、優勝してほっとしている」

 最速145キロを誇る今秋ドラフト候補右腕。初回に右肩に打球が直撃するアクシデントもあり先制を許したが、直後の2回に3得点で逆転してもらった後は粘った。最後は1点差を守り切った。

 父・アントニーさんはナイジェリア人で、母・純子さんはバレーボールの強豪だったダイエーでプレー。身長1メートル96の恵まれた体格と優れた身体能力で入学時から期待された。結果が出始めたのは、昨秋から10キロ体重が増えた今年。3月には練習試合でノーヒットノーランを記録するなど自信を付けて夏に挑んだ。

 今大会は全6試合に登板。41回2/3を投げ9失点と安定した投球で創部47年目で初となる聖地に導いた。出身地の熊本は4月に震災に見舞われた。「熊本の人にも届くような心のこもった野球をしたい」。甲子園でさらなる大暴れを狙う。

 ▽松山聖陵(愛媛)部活動が盛んな私立校。俳優の藤岡弘、もOB。

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2016年7月29日のニュース