阪神・能見 自虐?6年連続完封勝利「もう来年はないな」

[ 2016年7月28日 05:30 ]

<神・ヤ>初回2死、山田(手前)を空振り三振に抑える能見

セ・リーグ 阪神9―0ヤクルト

(7月27日 甲子園)
 一瞬たりとも隙を見せず最後までマウンドを守った。阪神先発の能見が、昨年4月26日の広島戦以来となる完封勝利で6勝目。2回無死満塁のピンチでは「狙った」とジェフンを三振に仕留めると、中村も一ゴロ併殺と窮地をしのいで勢いづいた。

 「完投は全く考えなかった。昨年ロッテ戦で(藤浪)晋太郎が(先発した試合で)8点差を追いつかれてるのが頭にあった」

 昨年6月3日のロッテ戦で8点リードを追いつかれた悪夢を忘れていない。この夜も、4回に9得点の大量援護を受けても、気を引き締めた。直後の5回から4イニングをまたいで10人連続アウト(3回2死から14人連続)。6月25日の広島戦以来だった原口とのバッテリーでの快投に、「久々に組んで抑えられたので」と頬は緩んだ。

 衰えない探求心が37歳の全力投球を支える。春季キャンプ中、臨時投手コーチを務めた下柳剛氏に配球面や心構えなど、ガムシャラに教えを乞うた。現役時代に交わした「約束」があった。

 「現役の時もいろいろ聞きたかったけど“俺が引退したら教えたる”と言われたからね。配球の面ではすごく助言をいただいた。下柳さんがバッターとの駆け引きの中で、考えていることが深い。本当に生かせる部分しかないから」

 プロ12年目。キャリアにあぐらをかくことなく増やした“引き出し”が要所で生きる。「知らなかった。できないよりできた方が良い。もう来年はないな」と、おどけた6年連続の完封勝利は、長く先発陣の先頭を走ってきた証し。能見の投球スタイルに「限界」の二文字はない。 (遠藤 礼)

 ▼阪神・香田投手コーチ(能見について)直球が低いところにいって、その高さに変化球も投げられていた。大量得点した時は投げにくいものだけど、よく投げてくれたね。

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2016年7月28日のニュース