【西東京】八王子学園八王子 祭りだ!同市初の甲子園切符

[ 2016年7月28日 05:30 ]

<東海大菅生・八王子学園八王子>初の甲子園出場を決め雄叫びを上げる八王子学園八王子ナイン

第98回全国高校野球選手権西東京大会決勝 八王子学園八王子5―3東海大菅生

(7月27日 神宮)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は27日、22大会で42試合が行われ、9代表が決まった。西東京大会では八王子学園八王子が東海大菅生との延長11回の激闘を制し、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。八王子市としても初の甲子園出場校となった。埼玉大会では花咲徳栄のエース左腕・高橋昂也投手(3年)が聖望学園に完封勝利。今大会6試合計37回連続無失点で3季連続の甲子園出場に導いた。28日は14大会で18試合が行われる。

 学生野球の聖地・神宮が「八王子祭り」に沸いた。悲願の甲子園切符。来年迎える八王子市制100周年への前祝いともなった。歓声が鳴りやまない三塁側スタンド前で目を腫らした安藤徳明監督は3度、宙に舞った。

 「監督になって10年。八王子市から甲子園に出ていないことで地域の方やOBから声を掛けられ続けてきたので、いつか恩返ししたい思いだった。長かったなあ、というのが正直な感想です」

 2回までに3盗塁を決め、序盤に3点をリード。5回に同点とされてもチームのモットー「我慢」を貫いた。3―3の延長11回1死二塁から1番・山口が狙っていたスライダーを振り抜き、決勝の右越え適時三塁打。準決勝まで14打数1安打だったが、大一番で3安打2打点と活躍し「仲間に恩返ししたかった。昨秋初めて初戦で負けて、史上初のことをやろうと思った」と胸を張った。

 準決勝までの5試合で18盗塁を決め、この日も5盗塁。昨秋は都大会1次予選初戦で都城東に敗れ、指揮官が勝つために着手したのが「走塁改革」だった。冬場は例年、筋力トレーニングに時間を割いたが、昨冬は走塁練習に充て毎日2時間、盗塁のスタートや帰塁など緻密な練習を繰り返した。12月下旬の強化合宿では午前4時起床で早朝から走りまくり、強じんな脚力を鍛え上げた。

 部訓は「ありんこ軍団」。昨夏準々決勝で敗れた早実と再び準々決勝で対戦した試合前、安藤監督は「小さな者でも大きな相手に群れを成して挑む精神、目力を大切にしよう」と部訓の意味をナインに諭した。「これで一丸になった」と川越主将。清宮を擁する名門に雪辱を果たして勢いづき、9年ぶり3度目の決勝でも強豪・東海大菅生を撃破して頂点に立った。

 春夏通じて初の甲子園に乗り込む。八王子市出身の安藤監督は「今まで八王子市の皆さんをお待たせした分、精いっぱいやってきたい。ひるまずに動く野球をしたい」と声を張り上げた。機動力が武器の「ありんこ軍団」が、聖地で八王子旋風を巻き起こす。 (青木 貴紀)

 ▼八王子学園八王子・池添法生総監督(前監督で部訓の「ありんこ軍団」を考案)三度目の正直で優勝してくれて夢のようです。まさにありんこ軍団を体現してくれた。

 ▽八王子学園八王子(西東京)八王子市にある1928年創立の私立校。生徒数は男子759人、女子813人。文理特進、進学、アスリートの3コース制。野球部は72年創部で部員76人。主なOBに柔道五輪銀の小川直也、競泳五輪銅の田中雅美ら。

 ▽八王子市 東京都西部の多摩地域南部に位置し、人口は都内の市町村で第1位の57万7180人(16年6月1日時点)。江戸時代に甲州街道の宿場町として発展。東京府時代の1917年(大6)に市制を施行して現在名となった。丘陵地帯の南部は新興住宅街、西部は高尾山や陣馬山など自然があふれる。シンガー・ソングライター・松任谷由実の出身地としても有名。

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