悔し黒田の引立て役 金本監督怒り「何十年やっても変わらない」

[ 2016年7月24日 05:30 ]

<広・神>3回裏、岩崎の降板を告げて渋い表情の金本監督

セ・リーグ 阪神0-7広島

(7月23日 マツダ)
 阪神は23日の広島戦(マツダスタジアム)に敗れ、今季ワーストタイの5連敗となった。金本知憲監督(48)は、相手先発・黒田に日米通算200勝達成を許した覇気の無い打線に「食らいついて行く姿勢が出て来ないようでは、何十年やっても、このチームは変わらない」と怒り心頭。28年ぶりの対広島戦9連敗で借金は今季ワースト更新の15に膨らみ、クライマックスシリーズ(CS)進出への“デッドライン”に到達してしまった。

 抵抗らしい抵抗も出来ないまま、手玉に取られた。相手先発・黒田の前に7回まで散発5安打に封じられるなど広島投手陣の前に零封負けし、ベテラン右腕に日米通算200勝を献上。金本監督は打席内で覇気も粘りも見せない各打者の姿勢に対して、語気を強めた。

 「果たして、打席の姿を見とったら悔しいとか思ってんのかな、と。覇気とか向かっていく姿勢だとか。本当に伝わってくる選手がいない。ある選手もいるけど。こういう展開でも何とか…と食らいついて行く姿勢が出て来ないようでは、何十年やっても、このチームは変わらないと思う」

 惨敗劇をベンチから淡々とした表情で見守っていた指揮官。そのポーカーフェースの裏には、怒り、悔しさ、もどかしさなどの感情が入り交じっていたに違いない。これまでも幾度となく言葉にして檄を飛ばし、発奮を促してきた。だが、この日も打線からは「闘志」を感じ取れなかった。

 初回は緒方の中前打を皮切りに得点圏に走者を進めたが、高山、ゴメスの中軸が凡退。2、4回も先頭打者の出塁を得点に結びつけることができない。6回2死一、二塁では鳥谷、7回2死一、二塁でも荒木が、ともに見逃し三振という最悪の形でスコアボードに0を記す始末。意地すら見せることはできなかった。

 「それ(食らいつく姿勢)を出す努力はしているけど、結局やるのは選手だから。悔しいとか思っているのかどうか。本当に、腹の底からね」

 3回までに7点ビハインドの展開。普通に考えれば、勝利は果てしなく遠い。とはいえ、だから淡々…では何も変わらない。千里の道も一歩から―。指揮官は窮状を打破する姿勢が見たかった。それが「超変革」の原動力となるはずだからだ。

 過去、セパ両リーグを通じてCS進出チームの最大借金は11年の西武の15。この日の敗戦で借金はCS進出への“デッドライン”に到達したことになる。さらに今季ワーストタイの5連敗。しかも対広島は9連敗で、10連敗を喫した88年以来28年ぶりの屈辱となった。8試合を残して、今季の対広島のカード負け越しも決定。後半戦は目下、12球団で唯一、勝ち星が無いという惨状だ。

 苦境であることは間違いない。だからこそ「心の強さ」が必要だ。シーズンはまだ51試合残っている。今はとにかく目の前の試合をガムシャラに戦うしかない。その積み重ねが状況の変化、チームの変革につながるはずだ。(惟任 貴信)

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2016年7月24日のニュース