【長野】佐久長聖 主将・元山の技ありバントで5年連続決勝

[ 2016年7月24日 07:25 ]

<佐久長聖・小諸商>8回無死一、二塁、意表を突いたセーフティーバントで投手の一塁悪送球を誘った佐久長聖・元山主将

第98回全国高校野球選手権長野大会準決勝 佐久長聖6―3小諸商

(7月23日 松本市)
 第98回全国高校野球選手権長野大会は準決勝が行われ、佐久長聖と松商学園が覇権を争うことになった。第1試合は佐久長聖が6―3で小諸商を破り、5年連続決勝進出。1点を追う8回、元山飛優主将(3年)の技ありバントで逆転した。2年ぶり優勝を狙う長聖と8年ぶりVに挑む松商が戦う決勝は24日午前10時プレーボール。

 長聖の主将がここ一番で最高の仕事をした。1点ビハインドの8回、連続敵失で築いた無死一、二塁のチャンス。打席に入った3番の元山主将は初球を「相手がへばっていた。強めにギリギリを狙った」とセーフティーバント。小諸商先発・高橋聖人にとっては今大会を通じて611球目。打球は三塁線へ転がり、高橋聖の一塁への悪送球を誘い、2者が生還。この試合初めて勝ち越した。

 逆転でつかんだ流れのまま、最終回もリードを死守。5年連続の決勝進出を決め、殊勲の男は「打席に向かうときに“バントだ”と思った。予想していたので、落ち着いてできた。いつも(バントは)下手ですが、(当てた瞬間)“いったな”って思った」と笑顔。藤原弘介監督(41)は「普段からああいう場面のためにセーフティーの練習をしてきた。しっかり決めてくれた」。

 決勝戦には並々ならぬ思いで臨む。昨夏は上田西に延長10回サヨナラ負け。この日と同じく3番遊撃手で出場した元山主将は目を真っ赤にし、チームメートに肩を支えられながら相手の校歌を聞いた。「過呼吸になるくらい泣いたのは人生で初めてだった」。

 スタンドには昨年一緒に戦った先輩が多く駆けつけており、「(甲子園に出た)1年夏くらいのプレッシャー」と笑う一方で「力になりました」。U―18日本代表入りを目指す主将は「先輩たちへの恩返しの意味も込めて、(決勝の)試合が終わったら倒れるくらいの気持ちで集中して戦いたい」。2年ぶり7回目の聖地行きへ、全てを出し切る。(木村 揚輔)

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2016年7月24日のニュース