栗山“勘ピューター”さく裂!セオリー外した代打策ハマった

[ 2016年7月24日 06:30 ]

<日・オ>試合後、マーティンとハイタッチする栗山監督

パ・リーグ 日本ハム6-3オリックス

(7月23日 札幌D)
 右手をギュッと握って走りだした。7回、1点差に詰め寄り、なおも1死満塁。日本ハム・大野は、2ボール1ストライクからディクソンの直球を振り抜いた。打球は左中間を抜け、走者一掃の逆転二塁打となった。

 「鳥肌が立った。(先発の)高梨も頑張ったし、謙次さん(矢野)もよくつないでくれた。その流れで打たせてもらった」。今季満塁機は5打数4安打10打点。選手会長に加え、主将も兼任する満塁男が勝負を決めた。

 打線は6回までディクソンにわずか2安打。苦境を打開したのは、栗山監督の勝負手だった。2点ビハインドの7回、先頭・中田の中前打から四球と安打で1死満塁。ここで左の谷口に右の代打・矢野を送った。俊足の谷口ならば併殺の危険性は低いが、矢野は右膝に慢性的な痛みを抱え、内野ゴロならばチャンスが一気についえる可能性もあった。それでも「あそこが勝負」と考えた。

 これに35歳の仕事人が応えた。フルカウントから外角低めの決め球ナックルカーブを見逃した。「俺だったら100回打席に入ったら、100回振っていた」と栗山監督。際どいコースだったが、矢野は「自分が打てる軌道だけをイメージした。自信を持って見逃した」と押し出し四球でつなぎ、続く大野の逆転打、2死後の中島、陽岱鋼(ヨウダイカン)の連続適時打を呼び込んだ。打者11人の猛攻で一挙6点をもぎとった。

 球団新記録となる15連勝が止まっても、そこから再び5連勝。札幌ドーム10連勝で、就任5年目で栗山政権最多の貯金22となった。6月19日からは20勝1敗の快進撃。ナイターでソフトバンクが敗れ、最大11・5あったゲーム差は3・5に縮まった。大野は力を込めた。「直接対決するまで負ける気はない。そこまで全勝でいく」。8月が終わるまでに、首位・ソフトバンクと9試合の直接対決が待っている。(横市 勇)

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2016年7月24日のニュース