内川、カメラマン“妨害”に怒「一つのアウトを取るためにどれだけ…」

[ 2016年7月24日 07:00 ]

<ソ・西>7回1死二塁、メヒアの打球を追うが捕れない内川

パ・リーグ ソフトバンク1-3西武

(7月23日 ヤフオクD)
 つかめるはずの白星だった。1点リードの7回1死一塁。3番手・森がメヒアに投じた5球目150キロは一塁側ファウルゾーンに上がる。カメラ席へ入りそうな打球。捕ろうとしたソフトバンク・内川とテレビカメラを守ろうと立ち上がりバインダーを出したアシスタントが交錯し、ファウル。その場に背番号1の怒号が響いた。

 「その人(カメラアシスタント)に後の展開(逆転負け)を押しつけるつもりはないけど、一つのアウトを取るために野手がどれだけのノックを受けてきているのかは理解してもらいたい」

 カメラ席はフィールド外であり、カメラを守る行為は表面上、正当性はある。だが、昨年10月のCSファイナルS第1戦(ロッテ戦、ヤフオクドーム)で左翼のファウルを追い、フェンスにぶつかり左肋骨を骨折した内川は決死の覚悟でプレーしているのだと訴えた。仮に一邪飛ならばフルカウントから走った一塁走者・秋山の二盗はなく、2死二塁での中村の同点打も生まれなかった。不運すぎる逆転負けだ。

 「不可抗力なんでしょうがない。カメラマンさんも(打球に)当たりたくないだろう」と工藤監督は冷静だった。日本ハムとのゲーム差は3・5ゲーム。4を切ったのは5月26日のオリックス戦(ヤフオクドーム)以来約2カ月ぶりだ。指揮官の仕事は怒りより、現実を受け止め、前を見ることだと理解している。

 「4番の差で負けた。僕のせいでしょ。僕が打っていればああいう展開にはならなかった」。内川は3度の得点機に無安打だった自分を責めることで冷静さを保った。この借りを返せるのはグラウンドだけだと、この男は熟知しているのだ。(福浦 健太郎)

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2016年7月24日のニュース