スカウトは見抜いた 黒田 無名時代から物が違った「映画の大スターのよう」

[ 2016年7月23日 21:46 ]

日米通算200勝を達成し、記念のボードを掲げる黒田

 今から20年以上前の神奈川県伊勢原市の専修大グラウンド。思わず隣の人に尋ねていた。「あれは誰ですか。どこの高校ですか」。広島の苑田聡彦スカウト(現スカウト統括部長)は、後にドラフト2位で入団する黒田博樹投手を初めて見た時のことを思い出し、懐かしがった。

 大阪・上宮高では控え。専修大でも1学年上に小林幹英投手(現広島投手コーチ)というエースがおり、当時大学2年から3年になる黒田投手は無名。苑田スカウトも投げる姿を見たことがなかった。それでも「物が違うようなオーラがあった。映画の大スターのようなもの。後ろから見ても、黒田だなって」。

 内角を打たれた打者にもう一度内角を攻める強気なスタイルが魅力だった。「力がある球で魂が乗った感じだった。(1位指名の)沢崎俊和(当時青山学院大)には悪いけど、黒田の方がいいと僕は言っていた」。心の中では早々に指名を決めた。

 スカウトが大学時代に感じた黒田投手のすごさ。それが本物だったことはプロ入り後に証明された。

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2016年7月23日のニュース