藤浪“懲罰161球”雪辱ならず6敗目も金本監督「何かつかみつつある」

[ 2016年7月23日 07:42 ]

<広・神>2回1死二塁、鈴木(左)に中前適時打を打たれる藤浪

セ・リーグ 阪神2―4広島

(7月22日 マツダ)
 負の連鎖を断ち切れない。阪神は22日の広島戦(マツダスタジアム)に2―4で敗れて4連敗。07年以来9年ぶりの対広島戦8連敗で、借金は今季ワーストの14に膨らんだ。金本知憲監督(48)からの後半戦全勝指令を胸に“懲罰登板”以来の先発マウンドに臨んだ藤浪晋太郎投手(22)は6回4失点で6敗目。自己ワーストに並ぶ今季2度目の6戦連続未勝利となった。

 猛虎も、エースも、迷い込んだ長いトンネルから抜け出ることができなかった。広島との3連戦初戦。藤浪が首位の勢いにのまれた。

 「(状態が)良いのか悪いのか、判断しかねるところ。(2回は)安部さんにも、鈴木にも(投球は)良いコースには行ったんですが、良い当たりをされてしまった」

 左足を上げると同時にグラブとボールを離して体を割り、スムーズに流れる新フォームで臨んだ後半戦初マウンド。初回は田中、菊池から2者連続三振を奪い、3者凡退で立ち上がった。

 だが、2回につまずいた。右前打された先頭のルナに二盗を許し、1死から鈴木に先制の中前打を浴びた。その鈴木にも二盗を許した上、味方のミスも重なって1死三塁。続く安部の右前適時打で2点目を失った。

 3回にもルナの三塁打を皮切りに1点を失うと、4回にも三たびルナにやられた。1死無走者から右前打と二盗を決められ、2死満塁から石原に押し出し四球を与えた。計4盗塁で揺さぶられ、6回9安打4失点(自責3)で6敗目。自己ワーストタイとなる6戦連続未勝利となった。

 「リベンジ」はならなかった。前回8日の広島戦(甲子園)では8回8失点で5敗目。序盤から精彩を欠き、金本監督から課された“懲罰投球”は161球にも及んだ。球宴を挟んで中13日で訪れた挽回の好機。「走られていたりしたので、ちょっと工夫しようと思った」と6回からはセットポジション時のグラブ位置を変えるなど試行錯誤も序盤の失点が重かった。

 金本監督の全勝指令にも応えられなかった。後半戦開幕を前に「もうホンマに全勝するくらいの気持ちで行ってもらわないと」と期待を寄せられていた。ただ、指揮官は「まあちょっと、まとまりは出てきたような気がしたけど。何かつかみつつあるのかなというね」と復調気配を感じ取った。打たれた要因についても「それ(クセを盗まれている)もあるかもね。気持ち良く打たれすぎる」と指摘。投球自体には上がり目が見えた。

 広島に9年ぶりの8連敗を喫し、今季2度目の4連敗で今季最悪を更新する借金14を抱えた。過去セ・リーグでクライマックスシリーズ進出チームの最大借金は13年広島の14で、セ・パ両リーグでも11年西武の15が最多。まさに踏ん張りどころだ。 (惟任 貴信)

 ≪6戦連続未勝利は自己ワーストタイ≫藤浪が6回4失点(自責3)で6敗目。6月2日楽天戦の完封を最後に勝利がなく、6戦連続未勝利は今季2度目(通算3度目)で自己ワーストに並んだ。

 ≪CSデッドライン≫阪神は4連敗で借金は今季最多の14に。セ・リーグでCSが始まった07年以降、進出チームがシーズン中に抱えた最大借金は13年広島の14(35勝49敗1分け)で、阪神はこれに並んだ。もっとも、同年の広島はこの時点で3位中日(37勝47敗1分け)と2ゲーム差。現在の阪神は3位DeNAと6ゲーム差で苦しい状況にある。

 ≪広島戦8連敗は9年ぶり≫広島戦は5月22日から8連敗で、4勝12敗でカード負け越しに王手がかかった。また、同戦の8連敗は07年4~11回戦以来9年ぶり。

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2016年7月23日のニュース