DeNA筒香 史上初3戦2発だ劇弾だ 驚異の7月12発!山田に1差

[ 2016年7月23日 05:30 ]

<D・巨>延長12回1死、サヨナラ弾を放ったDeNA・筒香はナインに祝福をされる

セ・リーグ DeNA3―2巨人

(7月22日 横浜)
 驚異の打棒だ。DeNA・筒香嘉智外野手(24)が22日の巨人戦で、史上初の3試合連続2本塁打を達成。6回に巨人エース・菅野智之投手(26)を打ち砕く27号ソロ、2―2で迎えた延長12回には28号サヨナラ弾を放った。29本でリーグトップを行くヤクルト・山田哲人内野手(24)に一気に1本差とした主砲のバットで、チームは3連勝を飾った。

 延長12回1死。カウント3―1からのスライダーを筒香は豪快に空振りした。右太腿を叩いて仕切り直した次の1球。山口の投じた内角直球を一直線に右翼席へ運んだ。緩急にもブレずに振り抜く28号サヨナラ弾。三塁を回ったところでヘルメットを取って喜び、ウオーターシャワーに身を預けた。3戦連続2本塁打。史上初の快挙にも、サラリと言ってのけた。

 「どちらか(の球種を)という待ち方はしていない。球種に関係なく、強い球を打とうと考えているだけ。(史上初の快挙は)あまり興味はないです。試合に勝つことが一番大事なので」

 球種を絞ることなく、来た球を見極めて体の反応でさばく。これほど厄介な打者はいない。筒香が「セ・リーグNo・1の投手」と敬う菅野も、同様の対応で攻略した。初回2死二塁ではフォークに下半身がついていって先制中前打。4回は全球速球の7球目を叩く左中間二塁打。6回は148キロの外角高めのワンシームを左翼へ27号ソロだ。「真っすぐと分かってても打てませんよ」と謙遜するが、自然体で待ってさばける状態に今はある。

 シーズンが始まった直後のこと。新人の柴田に筒香が「これを読むと良いよ。勉強になるから」と短い言葉を添えて渡したのが、巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏の著書「エキストラ・イニングス」だった。入団当初は「ハマのゴジラ」と呼ばれたが、本人はそれを嫌がったという。偉大な存在の名前を簡単に使うことはできないと思っていたから。だが、入団7年目で、松井氏の域に確実に近づいてきている。

 松井氏も巨人時代に話した理想が「球種を待つのではなく、来た球に体が反応することが理想」だった。ラミレス監督は「来日1年目の時、松井さんも今のゴウ(筒香)と同じくらいの年齢だった。今のゴウからもそういう自信が見えるんだ」と2人の姿をだぶらせ、「僕が敵チームだったらどんな状況でも敬遠する。勝ちたかったらね」と破顔一笑だ。7月は12発。一時は10本差あったリーグトップの山田に1本差に迫った。

 2位・巨人に1・5ゲーム差に迫る勝利の主役は、この日配信された「ポケモンGO」の話題に「小さい頃は…」と切り出しながら「やっぱり言うのやめよー」と笑って会見場を後にした。DeNAには球界に衝撃を与える「ツツGO」がいる。 (中村 文香)

 ≪メジャー最多も3戦連続2発≫筒香(D)が19日ヤクルト戦から3試合連続で2本塁打。3試合以下で6本塁打した打者は09年金本以来6人目(7度目)だが、3試合連続2本塁打はプロ野球史上初の快挙だ。メジャーではマルチ本塁打は3試合連続が最長で、近年では03年のジェフ・ダバノン(エンゼルス)が記録している。また、7月は5度目の2本塁打で、こちらは76年5月ブリーデン(神)のセ・リーグ月間記録に並んだ。7月は12本塁打。13年4月ブランコの球団月間記録14本を塗り替えそうな勢いだ。

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