日立製作所100年目の進撃8強 中村良1回戦に続く殊勲打

[ 2016年7月23日 05:30 ]

<日立製作所・日本通運>5回1死一、二塁から勝ち越し打の日立製作所・中村良

第87回都市対抗野球第8日2回戦 日立製作所8―3日本通運

(7月22日 東京ドーム)
 2回戦3試合が行われた。日立製作所(日立市)が13安打で、日本通運(さいたま市)を下して7年ぶりの準々決勝進出を決めた。中村良憲コーチ兼内野手(33)が勝ち越し二塁打を含む2安打4打点。創部100年目の初制覇に前進した。JR九州(北九州市)はヤマハ(浜松市)を、Honda鈴鹿(鈴鹿市)は王子(春日井市)を下してそれぞれ8強入りした。

 悲願へ向け、一丸となった。1点を追う4回2死の守備。打球を追った中堅の大塚が左中間フェンス激突。右手を裂傷して流血するアクシデントに見舞われた。本塁を狙った打者走者はカバーした左翼・林らの中継プレーで補殺したが大塚は薬指骨折の疑いで交代を強いられた。

 「頼みます」。ベンチで声を震わせた大塚の言葉にナインが燃えないわけがなかった。

 5回1死から3連打で同点。なお一、二塁で中村良が低めのカーブを捉え、勝ち越しの左中間2点打を放った。さらに2死二塁から、大塚に代わって入った藤島が中前打で追加点を叩き出した。

 1回戦の三菱重工神戸・高砂戦、延長12回タイブレークで逆転サヨナラの2点打を放った中村良はこの日も2安打4打点。「とにかく集中して打席に入れている」と好調を振り返った。今季からコーチ兼任だが、試合中は選手専念を許される。

 チームは今年創部100年の節目だ。中村良は「言葉にしなくてもみんなが胸に留めて野球をやっている」と言う。チームスローガンは「変化の先に道拓く」だが「~100年目の誓い~」をサブタイトルに入れた。今年87回目の都市対抗野球より、チームの歴史の方が長いが、まだ黒獅子旗は手にしていない。

 和久井勇人監督は「個々のレベルが上がって、それが線になった」と手応えを口にした。100年目に誓うのはもちろん大会初制覇。このチームならそれが可能だ。 (君島 圭介)

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