大谷もダルも肉体改造 今季のトレンドは「体重増」

[ 2016年7月19日 10:35 ]

日本ハムの大谷

 山田哲人(ヤクルト・180センチ76キロ)や坂本勇人(巨人・186センチ83キロ)など、スマートなアスリート体型の選手が目立っている昨今のプロ野球界。一方で、今季は開幕から、「ぽっちゃり体型」や「デブ」な選手たちが、その存在感を見せている。

◎ダルビッシュ&大谷の活躍もあり、体重増を目指す時代に

 クローザーに定着した中崎翔太(186センチ96キロ)、右投手時に起用される松山竜平(176センチ96キロ)に、名字も顔も成績も“◯”な丸佳浩(177センチ90キロ)、ケガで離脱中も選手間投票でオールスターゲームに選出され、無事に復帰を果たしたエルドレッド(196センチ122キロ)と首位を走る広島には立派な体重の選手が多い。

 シーズン開幕前から、球界最重量選手135キロのアマダー(楽天・193センチ135キロ)の入団や、ダルビッシュ有(レンジャーズ・196センチ100キロ)と大谷翔平(日本ハム・193センチ92キロ)の肉体改造で体重の話題がのぼることが多く、開幕後もビシエド(中日・185センチ108キロ)や、デスパイネ(ロッテ・175センチ95キロ)などが活躍。

 他の日本人でも、村田修一(巨人・177センチ92キロ)は若い岡本和真や移籍してきたクルーズらに追いやられそうなところだったが、オールスターゲームまでの全試合で三塁手として出場。打率は3割を超え、昨季の自己ワースト12本塁打に迫る11本塁打をすでに放っている。現役の同級生が少なくなってきた中、“松坂世代の最強打者”は老いに抗い、デブの時代を牽引している。

 公称は92キロも、実際は100キロ超級となった大谷。開幕直後は、打者としては本塁打を連発したものの、投手として結果が出ず、「体重増は投手には悪影響だ」と言われた。しかし、5月22日から破竹の7連勝、30イニング連続無失点を記録。外野の声を完全にシャットアウトし、体重増をパフォーマンス向上に結びつけた。

 プロ野球だけでなく、中学から高校、大学、社会人とすべてのカテゴリーにおいて、「体重増」は選手としてワンランクアップするためのキーワードとなっている。ドラフト候補選手の大型化も進み、「体重が増える事を誇りに思う時代」になってきた。

◎135キロのアマダーは不発も……

 ただ、最重量選手・アマダーは、3月上旬に左手首のケガで開幕に間に合わず。5月25日に1軍デビューし、初ヒットが三塁打と“デブ”らしからぬ記録で、また話題を呼んだ。ただ、それ以降、ヒットは出ず、さらに4試合目に再び負傷。左手の骨挫傷により全治4週間と診断された。その後、新外国人野手を獲得し、彼らの活躍によっては、アマダーが無条件で1軍復帰できるとは限らない。アマダーが活躍してこそ、「デブの時代」の本格化! と断言したいところだが……。
(現在、獲得を目指していると報道があったカルロス・ペゲーロも196センチ118キロという「ぽっちゃり」具合であるのも覚えておきたい)

 さらに、開幕当初に活躍した坂田遼(西武・178センチ90キロ)や井上晴哉(ロッテ・180センチ114キロ)は、継続して結果を出せず、現在は2軍生活。また、井上と並んで、2014年のフレッシュオールスターゲームで活躍した山川穂高(西武・176センチ100キロ)は、2軍では抜群の成績を残しながら、1軍の壁に阻まれている。期待に応えられていない選手がいないわけではない。

 さて、オールスターゲーム明けの後半戦では、「ぽっちゃり」選手たちの株は上がるのか? 下がってしまうだろうか? 注目選手は今年3年目の奥浪鏡(オリックス・176センチ100キロ)。1軍デビューに加え、初ヒット、初打点も記録。“ブラザー”である井上、山川がいまだ越えられない1軍の壁を突破し、低迷するオリックスの起爆剤となれるだろうか?(『週刊野球太郎』編集部)

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2016年7月19日のニュース