金本阪神 また最下位…鳥谷二塁トス緩く「まあ出たわね、きょう」

[ 2016年7月19日 05:30 ]

<神・巨>8回2死、金本監督は空振りの三振に倒れた鳥谷(右)に目もくれず選手交代のためベンチを出る

セ・リーグ 阪神1―2巨人

(7月18日 甲子園)
 セ・パ両リーグは18日、後半戦がスタートした。阪神はミスも重なり巨人に逆転負けし「甲子園G倒」をミスミス逃した。高山の走塁ミス、鳥谷の送球ミス(記録は野選)など攻守にわたって勝負どころでスキを見せた。甲子園の巨人戦5試合目でも初勝利をつかむことができず、再び最下位に転落した。

 ホームでは今季3番目の4万6762人の大観衆に打倒巨人を見せることはできなかった。攻守に精彩を欠いた敗戦後、金本監督は淡々と言葉を紡いだ。

 「俺も何試合か前に『ちょっと危ないぞ』と注意したんだけどね、本人には。まあ出たわね、きょう」

 ゴールデングラブ賞4度の名手がスキを見せた。1―1で迎えた9回無死一塁。坂本の遊ゴロを処理した鳥谷は、二塁ベースカバーに入った西岡に下手投げでトスした。だが、それが緩くなり判定はセーフ。最低でも1死一塁になるはずが一転、無死一、二塁とピンチは広がった。鳥谷自身も「パッとしっかり行っていれば…。トスが緩くなってしまった」と悔やんだ1プレーが、阿部の決勝打の呼び水となった。

 守りのミスは、これだけではない。6回2死三塁では一、二塁間のゴロを必死に止めたゴメスの一塁送球が高く浮いた。記録は内野安打となったが、あと少し低く送球できていればアウトのタイミング。同点となる失点を防ぐこともできた。

 走塁面でも失態があった。5回無死二塁。北條の三ゴロに二塁走者の高山が飛び出し二塁に戻れずタッチアウト。傾きかけた試合の流れを自ら手放すミスに三塁ベースコーチの高代ヘッドコーチが「あそこは抜けてからでいい。走塁ミスが負けにつながる」と話せば、指揮官も「まあ何とも言いようがないね、あの走塁は」と苦笑するしかなかった。直後にメッセンジャーがスリーバントを決められず(記録は三振)重たい空気へと変わった。

 敗因はミスだけではない。4日間の球宴ブレークを挟んでも打線は相変わらず湿ったまま。この日に近畿地方は梅雨明けしたが、猛虎打線には梅雨前線が停滞したまま。昨季5試合で3勝を献上したマイコラスから今季初対戦でも7イニングで1点を奪うのがやっと。野手のキーマンに指名された西岡、鳥谷、福留、ゴメスも4人で15打数1安打と機能せず。特に鳥谷は打撃面でも4打数無安打3三振と精彩を欠き、昨季からマイコラスとの通算成績も17打数無安打9三振と全く打てないでいる。「3三振、そのうち見逃し2つ。上がり目は…期待していたんだけどね。(状態は)見ての通り」。指揮官の悩みの種は尽きない。

 17日の練習後、金本監督は「やっぱり甲子園では勝ちたい。気持ち良く六甲おろしを歌わせてあげるようにしないと」と後半戦に臨む意気込みを語っていたが白星発進ならず。甲子園での今季巨人戦は5戦4敗1分け。きょうこそ、甲子園で六甲おろしの大合唱が見たい。 (惟任 貴信)

続きを表示

この記事のフォト

2016年7月19日のニュース