【埼玉】何の日?市川越メンディス海の日 浦学撃破 

[ 2016年7月19日 05:30 ]

<市川越・浦和学院>浦和学院打線を8回無失点に抑えた市川越・メンディス海

第98回全国高校野球選手権埼玉大会4回戦 市川越1―0浦和学院

(7月18日 大宮公園)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は18日、46大会で324試合が行われた。埼玉大会では市川越が13年センバツ優勝の浦和学院を1―0で撃破。スリランカ出身の父を持つエース・メンディス海(かい)投手(2年)が8回無失点と好投した。北北海道大会では今秋ドラフト上位候補で最速154キロ左腕の江陵・古谷優人投手(3年)が釧路工相手に20奪三振で完封。自ら2ランを放ち、4強に進出した。19日は30大会で172試合が行われる。

 猛暑と強豪校相手の重圧。そして、点差は1点。体は悲鳴を上げた。8回まで5安打無失点の好投を見せたメンディスの両太腿がつった。9回はベンチで声援を送りながら勝利を見届けた。

 「正直怖かったが、弱気になったら負けると思った。攻めのピッチングでいった」

 スリランカ人の父と日本人の母の間に生まれたハーフ。2年生ながらエースナンバーを背負い、昨秋、今春の県王者・浦和学院に真っ向勝負を挑んだ。初回、先頭に四球を与えたが、次打者を投ゴロ併殺。5回にも二ゴロ併殺でピンチを切り抜けた。5番打者として、2回には中越え三塁打を放った。星野の右犠飛で先制のホームを踏むと、それが決勝点になった。「9回を投げられず悔しかったので80点ぐらい」と言いながら、2年ぶりの16強入りを喜んだ。

 名前は「海」と書いて「かい」と読む。前夜は緊張のあまり寝付けなかったというが、マウンドに上がれば不安は吹き飛んだ。中祖主将ら3年生から「今日は何の日だ?」と何度も声を掛けられ「海(かい)の日です!」と力強く答えると、海の日の快投につなげた。

 「エキサイティングな場面を楽しめる子」と父・エルロイさんが言えば、新井清司監督も「しびれたねえ」。川越商時代の89年以来、27年ぶりの甲子園へ。メンディスは「(この先も)信じれば勝てる。笑顔でプレーしていきたい」と自信をみなぎらせた。 (榊 麗菜)

 ◆メンディス 海(かい)1999年(平11)8月11日、埼玉県生まれの16歳。小2から野球を始める。ふじみ野福岡中時代は川越シニアに所属。家族はスリランカ出身の父と日本人の母、姉。1メートル70、72キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2016年7月19日のニュース