福留様!延長11回V打で最下位脱出締め 金本監督も最敬礼

[ 2016年7月14日 06:30 ]

<ヤ・神>11回表2死二、三塁、福留は勝ち越しとなる2点適時二塁打を放ち、二塁上で手を叩く

セ・リーグ 阪神4-2ヤクルト

(7月13日 神宮)
 ベテランの意地だ!阪神の福留孝介外野手(39)が延長11回に勝ち越しの2点二塁打を放った。5回には出場35試合ぶりの4号ソロ。チームは今季8度目にして延長戦を初めて制して2連勝。最下位脱出にも成功して球宴前の前半戦を終えた。死闘を制した背番号8の執念は逆襲を狙う後半戦につながるはずだ。

 夜空に向かって高々と右手の拳を突き上げた。勝利を確信してのガッツポーズ。午後10時を過ぎても連勝を信じた神宮の虎党はスタンドを埋め尽くしていた。ファン、監督、コーチ、そしてチームメートの期待。そのすべてを一身に背負った福留がバットで応えた。

 「若い選手が活躍してくれて投手陣も頑張っていた。最年長なので何とかしてやろうと思った」

 それは2―2の同点で迎えた延長11回だ。2死二、三塁の第6打席、カウント2ボール2ストライクからの6球目だ。「とにかく食らい付こうと思った」。ペレスの低めのスライダーをとらえ、左中間を突き破った。決勝点をもぎとる2点打。二塁ベース上では珍しく雄たけびを上げて歓喜を爆発させた。

 「今日は絶対に試合をやるぞ!そして勝つ」

 実は試合前の時点から意気込んでいた。午前に長野から東京へ移動。また練習中には大粒の雨も降っていた。しかしベテランは遠征の疲れを見せずに試合開催を熱望。前日12日のヤクルト戦(長野)で連敗は止まった。その勢いに乗って連勝を狙う強い覚悟を示してチームを鼓舞した。

 「疲れとか言ってられない。勝って後半戦に入るのと、負けて入るのとでは全然違う。だから(白星を)取りたかった」

 連勝フィニッシュへ向けて序盤から有言実行した。初回は右翼越えの二塁打。また、5回無死からの第3打席では右翼スタンド中段に4号ソロを放った。5月26日のヤクルト戦(神宮)以来となる出場35試合、149打席ぶりの一発。7月2日の中日戦(ナゴヤドーム)以来の猛打賞に加えて3打点をたたき出した。

 リーグ戦再開前の6月23日には金本監督から指令を下された。「そこ(球宴)までぶっ飛ばして。フル回転で頑張ってもらう」。逆襲へのキーマンとの期待を託された。6月24日の広島戦(マツダスタジアム)からこの日までの16試合で58打数22安打で打率・379。「あそこで決めるのが孝介」と指揮官も最敬礼した。今季8試合目にして延長戦初勝利。また前半戦の最下位ターンも阻止した。

 「後半戦は巻き返せるように頑張ります」

 お立ち台では後半戦での逆襲を誓った。試合後には雨もやんでいた。やまない雨はないし、明けない夜はない。金本阪神の頼れるベテランが猛虎に希望の光を照らした。(山本 浩之)

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2016年7月14日のニュース